1999 Fiscal Year Annual Research Report
脳動脈瘤の成長・破裂に至るメカニズムと血管作動因子・成長因子・線溶系因子の役割
Project/Area Number |
09470303
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Research Institution | KINKI UNIVERSITY |
Principal Investigator |
種子田 護 近畿大学, 医学部, 教授 (10236713)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
朝井 俊治 近畿大学, 医学部, 講師 (20248008)
片岡 和夫 近畿大学, 医学部, 助教授 (10221178)
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Keywords | 脳動脈瘤 / くも膜下出血 |
Research Abstract |
これまで破裂動脈瘤はそれまでに存在した未破裂動脈瘤が何らかのプロセスをたどり破裂にいたったものと考えられてきた.従って,破裂前に未破裂動脈瘤を発見しそれを治療することがくも膜下出血の予防につながると考えられてきた.しかし,1998年12月国際的医学誌New England Journal of Medicineに直径10mm未満の未破裂動脈瘤の年間破裂率は0.05%と極めて低いことが明らかにされた.一方,通常くも膜下出血を生じる破裂動脈瘤は大多数が直径10mm未満で上記の未破裂動脈瘤の報告とは大きな差を認める.こうしたdataの解釈をめぐり現在国内のみならず国際的な大問題となっているが,まったく明解な解答は得られていない. 未破裂動脈瘤は成人人口の5-7%に存在すると考えられており,未我々は未破裂動脈瘤と破裂動脈瘤を病理的に比較検討しその細胞・組織レベルでの病態が異なっていることを明らかにした(Stroke30:1396,1999).くも膜下出血および脳動脈瘤についての疫学的検討と動脈瘤の病態の検討により,くも膜下出血のかなりの例では動脈瘤が新たに形成され早期の段階で破裂に至ることを明らかにした(Lancet355:203,2000).すなわち未破裂動脈瘤を持っていなくても動脈瘤が新生しくも膜下出血を生じうることが明らかとなった.またすべての未破裂動脈瘤を治療したとしてもくも膜下出血をすべて予防しえないと考えられる.
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[Publications] Kataoka K: "Nigral degeneration following striato-pallidal"Neuroscience Letters. 266. 220-222 (1999)
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[Publications] Kataoka K: "Remote Lesion in the substance Nigra"Acto Neurochirurgica(Wien). 141. 669-670 (1999)
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[Publications] Kataoka K: "Structural fragility and inflammatory"Stroke. 30. 1396-1401 (1999)
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[Publications] Kataoka K: "Difference in nature of ruptured"Lancet. 355. 203 (2000)