1998 Fiscal Year Annual Research Report
冷却髄液潅流法による低脳温の局所脳虚血に対する脳保護作用
Project/Area Number |
09470305
|
Research Institution | University of Occupational and Environmental Health, Japan |
Principal Investigator |
横田 晃 産業医科大学, 医学部, 教授 (80040583)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木下 良正 産業医科大学, 医学部, 助手 (00258617)
浦崎 永一郎 産業医科大学, 医学部, 講師 (20203599)
|
Keywords | Hypothermia / Brain temperature / CSF perfusion / Cerebral ischemia / Brain protection |
Research Abstract |
予備実験として成犬を用いて,脳室一髄液腔の冷却人工髄液潅流を行った.脳実質温,直腸温,潅流液温をモニターしたが,満足な脳実質の温度(33-35度)は得られなかった.そこで,実験法を再考し頭蓋骨を直接局所冷却する方法としたところ満足な脳実質の温度低下(33-34度)を実現できた. 以下,成猫を用いて本法で局所冷却した. 1. 局所冷却と全身冷却のバイタル変化の検討 全身冷却により有意な全身血圧の低下,脈拍の増加が認められたが,局所冷却では有意な全身血圧の低下,脈拍の増加は認められなかった. 2. 左中大脳動脈閉塞モデルによる局所冷却と全身冷却の温度変化の検討 患側の脳温は閉塞した時点で1度低下した.全身冷却では健側の脳温は直腸温に一致して低下したが,患側脳温は遅れて低下し健側より低下の程度は少なかった.局所冷却では患側の脳温は速やかに低下(33-34度)し健側の脳温は徐々に低下していたが健側脳温の低下の程度は少なかった.局所冷却では直腸温の低下ははきたさなかった. 3. 左中大脳動脈閉塞モデルによる局所冷却による脳浮腫の形成の比較(MRI)正常体温に保った左中大脳動脈閉塞成猫は時間とともに大きな脳梗塞を形成し,12時間後ではつよい脳浮腫を形成したが,局所冷却した左中大脳動脈閉塞成猫の梗塞巣は非常に小さかった.全身冷却した症例の検討はしていないが局所冷却でも十分脳浮腫予防効果があった. 4. 左中大脳動脈閉塞モデルによる局所冷却と全身冷却による脳保護の検討 現在,興奮性アミノ酸の放出が局所冷却で予防できるか否か実験中である.
|