1998 Fiscal Year Annual Research Report
頭蓋顔面骨形成不全症の疾患部位における遺伝子発現の解析と、その治療への応用
Project/Area Number |
09470307
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Research Institution | JICHI MEDICAL SCHOOL |
Principal Investigator |
菅原 康志 自治医科大学, 医学部, 講師 (60260494)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北野 幸恵 東京大学, 医学部, 研究生
鈴木 康俊 東京大学, 医学部, 研究生
多久嶋 亮彦 東京大学, 医学部, 助手 (90272541)
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Keywords | 頭蓋顔面骨低形成 / 胎生後期 / endothelin-1 / endothelin-1 kinockout mouse / in situ hybridization / 骨基質蛋白培養骨原細胞 / 培養骨原細胞 / 骨延長 |
Research Abstract |
1)われわれは、マウス胎生後期の頭蓋顔面におけるET-1レセプター(ET-1-R)mRNAの発現分布をin situ hybridizationによって分析した。その結果、2種類のET-1レセプターのうち、ET-1-RAのmRNAが発生後期頭蓋顔面の骨原細胞に特異的に発現されることを見いだし、頭蓋顔面骨の骨原細胞が確かにET-1のターゲット細胞であること、および、その作用がET-1-RAを介することなどを明らかにした。さらに、われわれは、ET-1がこれら骨原細胞の分化をどのように制御しているかを調べることを目的に、顔面骨低形成のモデル動物、endothelin-1knockout(ET-1KO)mouseと正常マウスとの間の骨基質蛋白、osteonectinおよびosteopontinのmRNA発現の違いを調べた。その結果、osteonectin,osteopontinともにET-1KOマウスでの細胞レベルでの発現減弱は見られず、従来の仮説を覆す結果となった。ET-1は、骨原細胞の骨分化ではなく増殖、配置などを制御するものと考えられる。2)また、新しい骨誘導方法として、培養によって増やした骨膜由来骨原細胞を同一のウサギ脛骨および顎骨骨延長部位に注入する実験を試みた。その結果、この方法が骨形成促進に大きな効果をもたらすことを見いだした。培養骨膜由来骨原細胞は、従来大きな問題であった頭蓋顔面骨手術後における骨欠損の問題を解決する手段として臨床応用が期待される。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Yukie Kitano: "Gene Expression of Bone Matrix Proteins and Endothelin Receptors in Endothelin-1-Deficient Mice Revealed by In Situ Hybridization" Journal of Bone and Mineral Research. 13(2). 237-244 (1998)
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[Publications] Akihiko Takushima: "Osteogenic Potential of Cultured Periosteal Cells in a Distracted Bone Gap in Rabbits" Journal of Surgical Research. 78(1). 68-77 (1998)