1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09470308
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
池川 志郎 東京大学, 医科学研究所, 助手 (30272496)
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Keywords | 骨系統疾患 / 偽性軟骨無形成症 / 遺伝子診断 / 分子遺伝学 / ポジショナル、クローニング / 疾患遺伝子 |
Research Abstract |
今年度は、代表的骨系統疾患である偽性軟骨無形成症(Pseudoachondroplasia)の遺伝子解析を中心に研究を進めた。本症では、既にCartilage oligomeric matrix protein(COMP)の遺伝子変異が知られているが、遺伝的異質性があり、第2、第3の原因遺伝子の存在が示唆されている。そこで、1.偽性軟骨無形成症患者におけるCOMPの遺伝子変異の検索、および、2.第2の原因遺伝子の単離に向けての偽性軟骨無形成症に合併した11番染色体の欠失例の解析、を行い以下の知見を得た。 1.偽性軟骨無形成症患者におけるCOMPの遺伝子変異の検索 PCR-SSCP法によりCOMP遺伝子の変異をスクリーニングし、シーケンス解析により、その変異を同定した。ll例を解析し、COMP遺伝子のexon13に存在する4つの変異を同定した。内3つは既報の3塩基の欠失、1つは過去に報告のない点突然変異であった。臨床的重症度と変異の位置に対応関係(phenotype-genotype correlation)があることを発見した。 2.偽性軟骨無形成症に合併した11番染色体の欠失例の解析 偽性軟骨無形成症に合併したde novoの11番染色体欠失例を出発点として、11番染色体にmapされるcosmidクローンを用い、染色体FISH(fluolescence in situ hybridization)法によって欠失の位置を限局化した。偽性軟骨無形成症の第2の原因遺伝子が、11番染色体の長腕q21ーq22.2の約の7Mbの領域に存在することを示した。
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