1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09470329
|
Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
外 須美夫 北里大学, 医学部, 教授 (60150447)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山浦 健 九州大学, 医学部, 助手 (70264041)
下川 宏明 九州大学, 医学部, 助教授 (00235681)
川崎 俊宏 北里大学, 医学部, 助手(研究員) (80253433)
竹中 智昭 北里大学, 医学部, 講師 (00179657)
|
Keywords | 麻酔薬 / 冠攣縮 / 硬膜外麻酔 |
Research Abstract |
疫学調査:麻酔中に冠攣縮が発生した国内および国外の症例報告の検討は現在継続中であり、結論を得ていない.現在のところ、冠攣縮の誘因として最重要の因子はかならずしも自律神経のバランスの崩れであるとは言えない.麻酔中の冠攣縮のリスクファクターは、患者側の因子としては冠動脈疾患のリスクファクターと重なる.また、麻酔のリスクファクターとしては、胸部硬膜外痲酔と昇圧薬とくにドーパミンの使用例が多いが、それ以外にも大量出血や挿管抜管時の迷走神経緊張などが挙げられる.吸入麻酔薬は一般に冠動脈拡張作用を有するが、イソフルランやセボフルレンを使用した群でも冠攣縮が発生しており、吸入麻酔薬の冠攣縮抑制効果は疑わしい. 動物実験:ミニブタ左冠動脈表面に樹脂製の微粒子に吸着させたIL-1βを貼付して、その後2-5週間後に冠動脈造影を行い、ヒスタミンおよびセロトニンを冠動脈内に選択的に投与し同部がセロトニンやヒスタミンの冠動脈内投与により過剰収縮を生じることを観察した.このモデルに対して胸部硬膜外麻酔を施行し心臓交感神経活動を遮断した後に、ヒスタミンおよびセロトニンによる冠攣縮の冠動脈短縮率、発生頻度を検討したが、胸部硬膜外麻酔による冠攣縮発生頻度の上昇は認められなかった.このことから、この冠攣縮モデルでは、麻酔による冠攣縮発生の成因を検討することは困難であると考えられた.現在は、冠攣縮の成因としてすでに明らかになってきている血管平滑筋での細胞内情報伝達過程におけるプロテインカイネースCの役割と麻酔薬によるその修飾を検討中である。
|
-
[Publications] Hoka S.et al.: "Removal of retained air during cardiac surgery with transesophapeal echocordiography and capnogrophy" Journal of Clinical Anesthesia. 9. 457-461 (1997)
-
[Publications] 外 須美夫: "冠循環管理" 麻酔. 46(増). S26-S32 (1997)