1998 Fiscal Year Annual Research Report
造精機能障害とアポトーシス-活性酸素と転写因子NFκBの関与
Project/Area Number |
09470350
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
佐々木 昌一 名古屋市立大学, 医学部, 講師 (50225869)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 泰之 名古屋市立大学, 医学部, 助手 (60264735)
郡 健二郎 名古屋市立大学, 医学部, 教授 (30122047)
林 祐太郎 名古屋市立大学, 医学部, 講師 (40238134)
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Keywords | Nuclear factor-kappaB / アポトーシス / 造精障害 / ラット / 精巣 |
Research Abstract |
精巣細胞はLH-RHアゴニストの大量投与によりアポトーシスを起こすことが報告されている。また転写因子Nuclear factor-kappa B(以下NFκB)はアポに関与すると言われる。われわれはラット精巣細胞アポにおけるNFκBの役割について検討した。 10週齢のWistar系雄ラットを用い、L群:酢酸リュープロレリン3mg/kg皮下注、LN群:リュープロレリン3mg/kg皮下注およびNFκBの阻害剤である1%N-acetyl-l-cysteine(以下NAC)を自由飲水、N群:NAC自由飲水のみ、C群:コントロールの4群に分けて実験した。これらを4週後に屠殺し精巣を摘除後、TUNEL法にてアポトーシス細胞の検出を、またNFκBのp50、p65サブユニットを免疫染色とWestern blottingにて検出した。 どの群のラットも体重増加率に有意差はなく、N群・LN群のラットは1日あたり1%NAC水22.5ml(NAC0.225g)を摂取していた。またリュープロレリンを投与したラットは4週後もホルモン値は去勢レベルであった。精巣重量はC>N>L>LN群の順で、それぞれ平均1.53、1.42、1.31、l.18gであり、L・LN群間以外は有意差を認めた。Johnsen scoreも同様の有意差であり、アポトーシス細胞はL、LN、N群でコントロールより多く認めた。C群ではp65の核染色陽性細胞を多数認めたが、他の3群はほとんど認めかった。 以上の結果から、正常ラット精巣細胞ではNFκBが活性化しており、これによりアポトーシスの抑制がなされていると考えられた。またLH-RHアゴニストによる造精障害・アポトーシスの発現にはNFκB活性の抑制が関与していると思われた。
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