1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09470361
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
中野 仁雄 九州大学, 医学部, 教授 (40038766)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高島 健 九州大学, 医学部, 助手 (30294953)
吉里 俊幸 九州大学, 医学部, 助手 (80264034)
月森 清巳 九州大学, 医学部, 講師 (90253450)
佐藤 昌司 九州大学, 医学部, 講師 (00225947)
小柳 孝司 九州大学, 医学部, 助教授 (30136452)
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Keywords | ヒト胎児 / 生物時計 / 個体発生 / ウルトラディアンリズム / 位相同調 / 心拍数変動 / 眼球運動 / 胎児行動 |
Research Abstract |
ヒト胎児における心拍数変動と眼球運動のウルトラディアンリズムの相互の機能的な連関を明らかにすることを目的に,心拍数変動のactive期・resting期と眼球運動期・無眼球運動期との,両者のウルトラディアンリズムの妊娠の進行に伴う位相同調を検討した.対象は,母親から研究への同意を得られた妊娠28-40週の正常胎児10例である.同一症例において観測期間を3群(I群:妊娠28-31週,II群:32-35週,III群:36-40週)に区分した.心拍数変動をドプラ探触子を用いて記録し,Timor-Tritschの基準に従ってactive期とresting期に分類した.同時に超音波電子スキャンを用いて水晶体が描写される胎児頭部の冠状断面を求め,水晶体を連続90分間観察し,ビデオテープに録画した.1分間を単位として全観察時間を眼球運動期と無眼球運動期に分類した.心拍数変動のactive期に眼球運動期が同期する割合とresting期に無眼球運動期が同期する割合を求めた.統計学的解析にはt-検定を用いた.同一胎児においてactive期に眼球運動期が同期する割合は,I群:64.2±8.3%(平均±S.D.),II群:82.3±7.9%,III群:87.2±5.1%で,I群とII群およびIII群の間に有意差を認めた(p<0.05).一方,resting期に無眼球運動期が同期する割合は、I群:50.2±14.6%,II群:78.9±12.8%,III群:84.3±10.1%で、I群とII群およびIII群の間に有意差を認めた(p<0.05).以上のpreliminary studyの成績から,胎児心拍数変動のactive期・resting期と眼球運動期・無眼球運動期のウルトラディアンリズムを制御する中枢神経系機構は妊娠中期では互いに無関係であるが、妊娠末期では関連を有するようになることが示唆された.
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