1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09470368
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
石川 和夫 秋田大学, 医学部, 教授 (40151336)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坂本 賢生 秋田大学, 医学部, 助手 (40311576)
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Keywords | 平衡障害 / 歩行異常 / タクタイル センサー |
Research Abstract |
本研究費により入手した歩行解析装置により、明らかな前庭系疾患を有する患者を対象に歩行異常の客観評価を試み、重心動揺検査による静的な姿勢制御機構との比較に於いて、同時に検討を進めてきている。これまで、正常者20名から得られたデータをもとに、末梢障害患者7名、中枢障害患者11名について、足圧中心の移動軌跡の程度、足圧分布曲線、立脚時間、遊脚時間、両脚支持時間の変動係数について、比較検討してきた。症例数は未だ充分ではないが、次第に以下のことが明らかにされつつある。末梢障害の歩行の解析結果では、中枢障害のそれに比べて、足圧中心の移動軌跡の動揺の程度は、強いめまい感を訴える割には軽度であり、中枢障害では大きくなる傾向にある。 中枢障害でも障害の偏在する場合には、患側の足圧中心の移動軌跡の動揺がやや大きくなる傾向があるが、障害が広範にわたるものでは、その程度により、足圧中心の移動軌跡の動揺の程度も異なる。 足圧分布曲線重ねあわせ図からみたのパターンの変化を見ると、正常では、heel strikeとheel offに一致した二相性の高まりを示すのに対して、障害例では、こうしたパターンに乱れが生じ、色々なパターンを呈するようになる。しかし、こうした変化は、末梢障害では、著変ないのに対して、中枢障害では、特に、body weight acceptanceからbody weight translationの時期の乱れが著明となることが判明しつつある。また、歩行運動の不安定さの程度は、必ずしも静的姿勢制御機構を反映する重心動揺とは明瞭な相関は見られない。現在、症例数を集める一方で、解析の程度を上げるためのソフトのバージョンアップに取り組んで いる。
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