1999 Fiscal Year Annual Research Report
アデノイド・扁桃(NALT)における粘膜免疫応答とその制御機構
Project/Area Number |
09470374
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
黒野 祐一 鹿児島大学, 医学部, 教授 (80153427)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河野 もと子 鹿児島大学, 医学部, 助手 (70295252)
一宮 一成 大分医科大学, 医学部, 講師 (70223112)
松根 彰志 鹿児島大学, 医学部, 講師 (00253899)
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Keywords | ケラチン / 口蓋扁桃 / CD4^+T細胞 / CD8^+T細胞 / 免疫寛容 / エンドトキシン / 1L-1β / NF-κB |
Research Abstract |
ヒト扁桃のケラチンに対する免疫応答 扁桃病巣感染症の代表的疾患に掌蹠膿疱症がある。本症はケラチンに対する自己免疫疾患と考えられているが、その詳細な発症機序は明確にされていない。そこで、ヒト口蓋扁桃リンパ球のケラチンに対する特異的反応を細胞生物学的手法を用いて解析した。その結果、掌蹠膿疱症患者ではケラチン特異的免疫グロブリン産生細胞数が有意に増加し、CD4^+T細胞の増殖反応も亢進していた。また、扁桃由来のCD4^+T細胞は末梢血B細胞のケラチン特異的抗体産生に対してヘルパー機能を示し、CD8^+T細胞は逆に抑制作用を示した。以上の結果から、口蓋扇桃がケラチン特異的免疫グロブリン産生細胞およびT細胞の供給源となり得ること、そして掌蹠膿疱症患者ではこれらの細胞数が増加していることなどから、免疫寛容の破綻が病因のひとつになっていることが示唆された。 ヒトアデノイド上皮細胞の免疫応答 培養アデノイド上皮細胞および線維芽細胞にエンドトキシンを添加すると、lL-1βの産生が亢進すること、さらにlL-1β刺激によってICAM-1の発現が見られることがノーザンブロット法で証明された。さらに、ゲルシフトアッセイによって、これら一連の反応に転写活性因子のひとつであるNF-κBが関与することが明らかにされた.以上の結果から、ヒトアデノイドそして口蓋肩桃は外来抗原に対する免疫応答のみでなく炎症反応の拠点ともなり、上気道の免疫防御そして炎症反応に関与し、様々な病態の重要な因子となりうることが示された。
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[Publications] Y.Kurono: "Nasal Immunization Induces Haemophilus influenzae-specific Th1and Th2 Responses with mucosal IgA and Systemic IgG Autibodies for Protective Immunity."The Journal of Infectious Diseases. 180(1). 122-132 (1999)
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[Publications] Y.Kurono: "The role of interferon (IFN)-γ in inducing IgA responses in nasal mucosa against outer membrane protein P6 of nontypeable Haemophilus influenzae."Rhinology. suppl.15. 53-55 (1999)
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[Publications] Y.Kurono: "Effects of intranasal immunization on protective immunity againsat otitis media."International Journal of Pediatric Otorhinolaryngology. 49suppl(1). s227-s229 (1999)
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[Publications] Y.Kurono: "Middle ear and eustachian tube.In "Mucosal Immunology""Academic Press. 7 (1999)