1997 Fiscal Year Annual Research Report
正常・穿孔鼓膜での上皮細胞移動機序の解明及び鼓膜穿孔閉鎖に関する基礎的研究
Project/Area Number |
09470375
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Research Institution | Jichi Medical University |
Principal Investigator |
栫 博幸 自治医科大学, 医学部, 講師 (40201412)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 秀隆 自治医科大学, 医学部, 助手 (50296109)
宮田 守 自治医科大学, 医学部, 講師 (50159175)
喜多村 健 自治医科大学, 医学部, 教授 (90010470)
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Keywords | 鼓膜穿孔 / 成長因子 / TGF-beta1 |
Research Abstract |
TGF-bataによる鼓膜穿孔治癒促進効果について,マウスを用いて実験を行った。 方法:全身麻酔下に,マウス鼓膜に小穿孔を作成し写真撮影をした後,TGF-beta溶液を穿孔縁に作用させた。TGF-bata溶液は,4mM KCl+1%BSA溶液にとかし,1μg/mlおよび0.1μg/mlとなるようにした。コントロールとして,4mM KCl+1%BSA溶液,4mM KCl溶液,何もしない,の三つを用意した。各々の溶液は,穿孔作成直後一度だけ作用させた。小穿孔の閉鎖状態を,穿孔が閉鎖するまで毎日写真撮影した。写真像より穿孔閉鎖指数を求め,統計学的に検討した。一部は組織学的標本作成に為に犠牲死させ,側頭骨を採取,鼓膜摘出,固定・脱灰してエポンに包埋した。薄切,トルイジンブルー染色をして,光学顕微鏡的に観察した。 結果:TGF-beta溶液を作用させると,対照とした三群より早期に穿孔が閉鎖する,しかし,TGF-beta溶液1μg/mlと0.1μg/mlの間には,有意な差が認められなかった。4mM KCl^+1%BSA溶液棟投与群と5mM KCl投与群もしくは何もしない群との間にもわずかに統計学的が認められた。4mM KCl投与群もしくは何もしない群との間には有意な差は認められなかった. 現在,組織学的検索を進めている。その結果を踏まえて,マクロ的実験で得られた結果の理由・意義について報告する予定である.
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