1997 Fiscal Year Annual Research Report
毛様体上皮細胞機能における細胞内セカンドメッセンジャー機構の解明
Project/Area Number |
09470377
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
新家 眞 東京大学, 医学部・附属病院, 教授 (00092122)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 康之 日本医科大学, 講師 (80196881)
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Keywords | 毛様体無色素上皮 / 細胞内カルシウムイオン / 家兎 / 細胞内情報伝達 / アドレナリン作動薬 / コリン作動薬 |
Research Abstract |
白色家兎および有色家兎から毛様体組織を採取、さらに低カルシウム状態で短時間インキュベートを行って毛様体無色素上皮層を分離する方法を確立した。採取した毛様体上皮細胞層を細切してトリプシン処置を行うことにより個々の細胞を分離し17%ウシ胎児血清を加えたダルベッコMEM培地で数日培養することにより、細胞は培養プレートに確実に接着した。この細胞を細胞内カルシウム蛍光指示薬であるfura-2(5μM)及びPluronic F127(0.125%)の濃度下で1時間インキュベートしてダイロ-ディングを行い、倒立顕微鏡(ニコンTE300)および細胞内カルシウムイオン(Ca^<2+>)測定システム(浜松ホトニクスARGUS-20/CA)を用いて実験を行った。細胞内カルシウムイオン濃度([Ca^<2+>」_i)は波長340nmおよび370nmで刺激したときの蛍光を計測し、その比により換算した。非刺激時の毛様体無色素上皮における[Ca^<2+>]_iは約1nM以下であった。10μMのアセチルコリンで刺激したところ、「Ca^<2+>]_iは約1μMまで上昇し、これは1μMのアトロピンの前投与および後投与で抑制された。また、細胞外液をCa^<2+>フリーの状態にして実験を行ったところ[Ca^<2+>]_iはほぼ同様に上昇したが、数秒でベースライン値に下降した。一方、α2-adrenergic agonistであるクロニジン(100μM)では、ほとんど変化しなかった。また、1μMのアセチルコリンで刺激したところ[Ca^<2+>]_iは約500nMに上昇したが、その後さらに100μMのクロニジンを加えることにより[Ca^<2+>]_iは1μM以上に上昇し、これは細胞外液中のCa^<2+>濃度に依存した。また、この効果はα2-adrenergic antagonistであるヨヒンビン(10μM)の前投与によって抑制された。これらから、muscarinic receptor刺激により細胞内カルシウムストアからCa^<2+>が放出されて細胞内情報伝達を行い、α2-adrenergic receptor刺激は細胞外Ca^<2+>の細胞内流入を促進することにより、この伝達を強める働きを持つことが示唆された。
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