1997 Fiscal Year Annual Research Report
14f32における遺伝子異常の存在は神経芽細胞腫の発癌因子となる〜14f32上に存在するがん抑制遺伝子のクローニングと遺伝子配列の決定およびその機能解析について〜
Project/Area Number |
09470386
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
林 富 東北大学, 医学部, 助教授 (40125638)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堀井 明 東北大学, 医学部, 教授 (40249983)
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Keywords | 神経芽細胞腫 / 染色体第14番 / 染色体欠失 / マイクロサテライトマーカー / FISH / BAC |
Research Abstract |
我々は,神経芽細胞腫の発生・進展に関与する癌抑制遺伝子の研究を進めている。染色体第14番長腕上におけるloss of heterozygosity(LOH)の検討を行い,マイクロサテライトマーカーD14S62とD14S65の間に,約2cMの染色体共通欠失領域を認めた。この共通欠失領域に関してさらに検討を進め,本年度は,fluorescence in situ hybridization(FISH)法を用いた欠失の確認,ならびに,さらに詳細な共通欠失領域の検討を行った。マイクロサテライト解析により欠失を示した神経芽細胞腫症例のうちキ-となる患者より得られたサンプルに対し,欠失領域のジェノミッククローンを用いたFISHを施行し,LOH studyで得られた結果と一致する染色体欠失(allelic imbalance)を確認した。また,昨年度,同領域において発表された新たなマイクロサテライトマーカー5個を用いてLOH studyを行い,同欠失領域を,約1cM程度という狭い領域に特定することに成功した。これをもとに,本研究費で購入したtotal human BAC(bacterial artifitial chromosome)libraryを用いて,同欠失領域におけるBAC cloneを単離し,検討に用いた神経芽細胞腫症例における,FISHによる染色体欠失(allelic imbalance)の確認作業と,それらと平行して,購入したBACを用いた同領域のcontigの作製を行っている。次年度には,今年度の成果をもとに,神経芽細胞腫発症にかかわる関連遺伝子の単離・解析をポジショナルクローニングの手法を駆使して進めていく予定である。本年度の研究成果は現在論文投稿中である。
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