1997 Fiscal Year Annual Research Report
歯周ポケットで多数を占める培養困難な菌種の歯周疾患病原性の検討
Project/Area Number |
09470390
|
Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
星野 悦郎 新潟大学, 歯学部, 教授 (90124619)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 尚美 新潟大学, 歯学部, 助手 (20018427)
中澤 太 新潟大学, 歯学部, 助教授 (60115053)
|
Keywords | 歯周疾患 / 嫌気性菌 / 病原性 / 培養困難性細菌 |
Research Abstract |
目的:偏性嫌気性菌取り扱い技術の進歩により歯周ポケットから従来検出されることの無かった多くの未同定菌種が、申請者らによって分離されている。特に、培養の困難な糖非分解性偏性嫌気性菌はその数も多いため、その病原性の解明を行う事を目的としてする。 研究成果:平成9年度途中で採択・補助金交付のため、現在までにまとまって成績は得られていないが、下記のような実験を行っている。 1)糖非分解性Eubacteriumを中心に、糖非分解性偏性嫌気性細菌の毒性代謝産物(有機酸等)のガスクロマトグラフィによる検出。 組織障害性が指摘されている酪酸や、その他の芳香族脂肪酸、分岐脂肪酸が検出されている。 2)新しく歯周疾患組織などから分離した糖非分解性Eubacteriumの分類学的位置の特定。 PCR反応を用いて、既存の菌種との分別、新種としての確立を行った。本研究に用いる培養困難な糖非分解性偏性嫌気性菌の選択が可能となっている。 3)糖非分解性Eubacteriumを中心として、培養困難な糖非分解性偏性嫌気性菌の細胞性免疫への関与の実証のための実験動物組織での生体反応。 強い液性免疫を惹起することが知られている細菌種をコントロールに、糖非分解性Eubacterium種の細菌をラット腹腔に投与し、浸出液中の免疫性細胞の特定とその数、また、細胞性免疫の関与を知るために、特定の免疫細胞の表面マーカーの発現と、サイトカインの産生をフローサイトメーターおよびACASを用いて調べている。予備実験により、特定の細胞が増加してくる時期など、実験条件の設定ができた段階である。
|