1998 Fiscal Year Annual Research Report
口腔癌の発生,進展における遺伝子変異と癌の生物学的機能の多用性に関する研究
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09470392
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
坂井 英隆 九州大学, 歯学部, 教授 (80136499)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
清島 保 九州大学, 歯学部, 助手 (20264054)
松尾 拡 九州大学, 歯学部, 助手 (70238971)
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Keywords | P53癌抑制遺伝子 / EBウイルス / ヒトパピローマウイルス / PCR / CA19-9 / CA125 / 浸潤,転移 / 免疫組織化学 |
Research Abstract |
平成10年度は研究用試料の関係で口腔扁平上皮癌におけるEBウイルスおよびヒトパピローマウイルスとp53との関連性についての研究結果を完成させることを主な目的とした。p53遺伝子のexon5から8までの突然変異をPCR-SSCP法にて検討した結果、扁平上皮癌47例中、p53遺伝子変異を20例(42.6%)に認めた。EBウイルスについては、BamHI-W部のSouthern blot検索により、口腔扁平上皮癌47例中、7例(14.9%)にEBV-DNAを認めた。しかしながらin situ hybridization法による検索では、EBV-DNAは組織切片上に検出されず、EBV-DNAの転写が口腔扁平上皮癌細胞内で行われていない可能性が示唆された。また、EBV陽性例では陰性例と比較して予後が良い事がわかった。これらの結果を纏めてJourna1 of Pathologyに投稿し、暫定的ではあるが受理された。 扁平上皮癌47例のうち31例(66%)にHPV16あるいは18の感染を認め、さらにHPV-16陽性例とp53遺伝子の点突然変異の間に有意に関連性があることが示され、HPV感染がp53遺伝子の変異に関与していることが示唆された。これらの結果をBritish Journal of Oral and Maxillofacilal Surgeryに投稿し、暫定的に受理された。 これらの結果を基に現在正常口腔粘膜および前癌病変におけるEBVおよびHPV-16および-18とp53との関連性についての検索を行っており、口腔癌発生過程におけるこれらのウイルスの関与について解明する予定である。 腫瘍マーカーであるCA19-9およびCA125について唾液腺悪性腫瘍のうち粘表皮癌および腺様嚢胞癌における局在を免疫組織化学的にて検索し、粘表皮癌および腺様嚢胞癌腫瘍では陽性例の方が悪性度が低いことが示唆された。これらの結果は現在論文作成中である。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Tamotsu Kiyoshima: "Immunohistochemical loalization of laminin collagen type IV and heparan sulfate proteoglycan in human colorectal adenocarcinoma correlation wihe local invasive pattem and lymph and node metastasis" Acta Histochemistry Cytochmistry. 31・1. 39-47 (1998)
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[Publications] Takanori Tsuji: "Cloning mapping、expression function and mutation andlysis of the hamster putative tumor suppressor gene doc-1" Joumal of Biological Chemistry. 273・12. 6704-6709 (1998)
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[Publications] Tazuko K.Goto: "Case reports A follow-up of the infratemporal fossa region in adults basedon the MR imaging faindngs" Oral Surg Oral Med Oral Pathol Oral Radiol Endod. 86・5. 616-625 (1998)