1997 Fiscal Year Annual Research Report
成熟破骨細胞の骨九州活性調節機構と受容体型チロシン・キナーゼの関与
Project/Area Number |
09470393
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Research Institution | Meikai University |
Principal Investigator |
久米川 正好 明海大学, 歯学部, 教授 (40049367)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
須田 年生 熊本大学, 医学部, 教授 (60118453)
真野 博 明海大学, 歯学部, 助手 (20265359)
羽毛田 慈之 明海大学, 歯学部, 助教授 (90164772)
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Keywords | 破骨細胞の活性化機構 / チロシンキナーゼ Tyro-3 / Tyro-3リガンド Gas6 |
Research Abstract |
本年度、我々は、成熟破骨細胞に発現している受容体型チロシンキナーゼを解析する目的から、純粋破骨細胞のcDNAを作製し、PCRクローニング法を用いて受容体型チロシンキナーゼを検索し、それらの中から、特にTyro-3が多く発言していることを見いだした。そこでGla含有の抗血液凝固タンパク質であり、Tyro-3のリガンドであるGas6のTyro-3を介して破骨細胞の骨吸収調節機構を解析し、以下の結果を得た。 [結果]1.純粋破骨細胞のcDNAから、2回のPCRによって、8種類の受容体型チロシンキナーゼに相当のクローンが得られた。その中で最も多く得られたものがTyro-3であった。2.破骨細胞は抗Tyro-3抗体での免疫染色で陽性を示し、その染色性は間質細胞より強かった。さらに、抗Tyro-3抗体を用いた破骨細胞膜分画のWestern blot分析において140kDaのバンドを検出した。3.Tyro-3のリガンドであるGas6は濃度依存的に成熟破骨細胞の骨吸収活性を促進した。その促進作用は添加6時間で既に現れた。4.Gas6は成熟破骨細胞の60、85、100、120、140(Tyro-3と一致)、175kDaのタンパク質を速やかにチロシンリン酸化した。 [考察]今回の結果から、複数の受容体型チロシンキナーゼが破骨細胞に発言されていることが明らかになった。中でも今までorhan receptorとしてその機能が明らかにされていなかったTyro-3が多く発現していることが示唆された。そして、Tyro-3のリガンドであるGas6はTyro3のチロシンリン酸化を介して破骨細胞の骨吸収活性を促進することが明らかにされた。Gas6でチロシンリン酸化が誘導されるタンパク質の分子量はc-srcを始めとするfocal adhesion plaque構成タンパク質と類似しており、受容体型チロシンキナーゼであるTyro-3とそれらfocal adhesion plaque構成タンパク質との関連が考えられる。この内容については第15回日本骨代謝学会に発表し現在投稿中である。
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