1997 Fiscal Year Annual Research Report
細胞骨格、情報伝達系を介して破骨細胞の骨吸収活性を制御する薬物の開発
Project/Area Number |
09470400
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
大谷 啓一 東京医科歯科大学, 歯学部, 教授 (10126211)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
澄川 万紀 東京医科歯科大学, 歯学部, 教務職員 (10216492)
青木 和広 東京医科歯科大学, 歯学部, 助手 (40272603)
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Keywords | 破骨細胞 / oH / 低Ca食 / 骨リモデリング活性 / 骨吸収 |
Research Abstract |
ラット骨髄よりbone cellsを含む骨髄組織を取り出し、培養ディシュ上に付着した細胞より破骨細胞を選び出し培養を行う。破骨細胞のおこなう骨吸収機能にともなうH^+の輸送機構を検討するため、細胞内pH蛍光指示類SNARFを負荷して、共焦点レーザースキャン顕微鏡にて細胞内pHの変化を測定した。酸負荷により破骨細胞内にH^+が導入が起こりpHが低下するが、低下したpHはNa^+,K^+添加培地により回復することが認められた。しかしNa^+,K^+を添加していない培地ではpHの回復は見られなかった。これらの結果から破骨細胞内にNa^+,K^+に依存してH^+を細胞外に輸送してpHを維持する紀行が存在することが示唆された。ラットを低Ca食飼育し、実験開始後0、1、2、3日目に屠殺し、左右脛骨、大腿骨を採取した。骨密度の減少が実験開始1日目から有意に認められたが、皮質骨の変化は実験期間中認められなかった。骨形態計測による解析では骨量(BV/TV)が1日目から有意に減少した。破骨細胞数(N.Oc/BS)、破骨細胞の核数(N.Nc/Oc)は実験期間中増加傾向を示し、特に1日目において有意な増加を示した。また、骨芽細胞数(N.Ob/BS)は1日目から有意な増加を示し、2、3日目ではさらに増加した。また、骨髄培養系細胞を用いた検索では、出現するTRAP陽性多核細胞数の増加は実験開始1日目のラット骨髄細胞に有意に認められ、石灰化面積は1日目のラット骨髄細胞では変化を示さなかったが2日目の骨髄細胞で有意な増加を示した。以上の結果より、低Ca食飼育により迅速な骨吸収が引き起こされ、その作用はリモデリング活性の上昇による骨代謝回転が増加することにより発現するものと考えられた。
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[Publications] SUZUKI K: "Effects of Surtacc Roughness of Titanium Implants on Bove Remodeling Activity of Femur in Rabbits" Bone. 21.6. 507-514 (1997)
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[Publications] 青木和広: "低Ca状態におけるチルドロネートの骨吸収抑制効果について-低Ca食飼育ラットの実験的骨吸収でモデルによる検討-" 日本骨代謝学会雑誌. 15・2. 287- (1997)
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[Publications] 瀬戸浩行: "低Ca食飼育による迅速な骨吸収亢進が破骨細胞骨芽細胞の増殖に分化に与える影響" 日本骨代謝学会雑誌. 15・2. 209- (1997)
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[Publications] 瀬戸浩行: "低Ca食飼育ラットの海綿骨、皮質骨の骨量変化に関する研究" 歯科基礎医学会雑誌. 38.Suppl. 120- (1997)