1998 Fiscal Year Annual Research Report
唾液腺における血小板活性化因子(PAF)の動態とその分泌における役割
Project/Area Number |
09470403
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Research Institution | HIROSHIMA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
土肥 敏博 広島大学, 歯学部, 教授 (00034182)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
今井 康夫 広島大学, 歯学部, 助手 (30271068)
森田 克也 広島大学, 歯学部, 講師 (10116684)
北山 滋雄 広島大学, 歯学部, 助教授 (80177873)
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Keywords | 血小板活性化因子 / PAF / acetyltransferase / 唾液腺 / アセチルコリン / 受容体 / カルシウム / Na^+.K^+-ATPase |
Research Abstract |
血小板活性化因子(platelet-activating factor:PAF)の唾液腺分泌における役割を明らかにする為に顎下腺におけるPAF生合成およびPAF受容体発現について検討を行い以下の結果を得た。 1. Lyso-PAF:acetyl CoA acetyltransferase(ACT)活性はアセチルコリン(ACh)により促進された。細胞外Ca^<2+>除去によりAChによるPAFの産生およびACT活性化は共に抑制された。イソプロテレノール、8Br-cyclic AMPはACTを活性化したがPAFの産生を促進しなかった。DTT insensitive cholinephosphotrans-ferase(CPT)はACh,イソプロテレノール、8Br-cyclic AMPで上昇し、Ca^<2+>の除去により活性はさらに上昇した。 2. PAF受容体mRNAの発現をRT-PCR法を用いて検索した。プライマーはモルモット肺PAF受容体cDNAシークエンスを基に設計した。モルモット顎下腺においてPAF受容体に特異的と考えられる360b.p.のバンドが検出された。一方イヌ顎下腺では検出されなかった。 3. モルモット顎下腺より分離したmRNAを注入したアフリカツメガエル卵母細胞にPAFを作用させるとCl^-電流が認められた。モルモット顎下腺スライス標本においてPAFはムチン分泌を引き起こした。 4. イヌ顎下腺細胞膜Na^+,K^+K-ATPase活性をPAFは阻害した。この阻害は低濃度においては一部PAF受容体拮抗薬により抑制された賀、高濃度においては拮抗されなかった。阻害様式のキネティクス解析は複合阻害様式を示した。 5. 混合唾液中にPAFが検出されたが、耳下腺、舌下腺から直接採取した唾液中にPAFは検出されなかった。 以上、顎下腺でのPAF生合成はremodeling pathwayにより合成されること、顎下腺細胞膜にPAF受容体が発現していること、およびPAFが細胞内情報伝達系として機能する可能性等、PAFの唾液分泌における役割の一端を明らかにした。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] H.Yamaki et al.: "Cyclic ADP-ribose induces Ca^<2+> release from caffeine-insensitive Ca^<2+> pools in canine salivary glands." Journal of Dental Research. 77. 1807-1816 (1998)
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[Publications] K.Itadani et al.: "Inhibition of Na^+,K^+ -ATPase by platelet-activating factor in dog submandibular glands." Prostaglandins & other Lipid Mediators. 55. 377-385 (1998)
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[Publications] K.Shibata et al.: "Platelet-activating factor in gingival crevicular fluid from periodontitis patients as a potent clinical disease activity marker." J.Int.Acad.Periodontol.(in press).