1999 Fiscal Year Annual Research Report
TIMPsの細胞増殖活性―ヒト骨芽細胞様細胞におけるシグナル伝達機構の解明
Project/Area Number |
09470408
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Research Institution | School of Dentistry, Aichi-Gakuin University |
Principal Investigator |
早川 太郎 愛知学院大学, 歯学部・生化学講座, 教授 (80064822)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩田 敏男 愛知学院大学, 歯学部・矯正学講座, 助手 (40301634)
山下 京子 愛知学院大学, 歯学部・生化学講座, 講師 (40231659)
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Keywords | TIMP-1 / TIMP-2 / プロテインキナーゼA / H-89 / H-7 / K-252a / MG-63細胞 |
Research Abstract |
本年度の研究計画に基づき、Raji細胞を用いてTIMP-1およびTIMP-2のレセプターへの結合実験を行ってきたが、当初、期待したような結果は得られていない。現在、更に条件を変えて検討中である。ところで、本年度の計画にはなかったが、骨芽細胞様(MG-63)細胞を用い、〔^3H〕チミジン取り込み活性を指標に、TIMP-1およびTIMP-2に対する低親和性レセプターの特性をプロテインA(PKA)インヒビター用いて検討した。その結果、高濃度のTIMP-1(500ng/ml)およびTIMP-2(100ng/ml)存在下では細胞増殖は全く見られないが、PKAインヒビターであるH-89,H-7およびK-252aを共存させると、低濃度のTIMP-1(20ng/ml)およびTIMP-2(1ng/ml)存在下で認められる増殖活性と同レベルまで増殖活性の上昇が認められた。これらの結果から、高濃度の両TIMPはGタンパク共役型レセプターに結合し、cAMP/PKA系を活性化したと考えられる。多くの細胞で、cAMP/PKAとRas/Raf-1の間に負のクロストークの存在が知られているので、それによって高濃度の両TIMP存在下では、細胞増殖は抑制されていると考えられる。しかし、PKAインヒビターによってこのこの負のクロストークがブロックされると、高親和性レセプターであるチロシンキナーゼレセプターからRasを経てMAPキナーゼへ伝達される増殖刺激が回復し、細胞増殖が見られたと考察される。
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