1997 Fiscal Year Annual Research Report
癌人工肺転移マウスにおける細胞性免疫NK,CTLの転移制御機構に関する実験的研究
Project/Area Number |
09470411
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
額田 純一郎 大阪大学, 歯学部・附属病院, 講師 (70189348)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大前 政利 大阪大学, 歯学部・附属病院, 医員
加藤 逸郎 大阪大学, 歯学部・附属病院, 医員
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Keywords | 肺転移 / Colon26 / 細胞性免疫 / ナチュラルキラー細胞 / キラーT細胞 / 腫瘍免疫 |
Research Abstract |
1.癌人工肺転移マウスモデルの作成 in vivoにおいてマウス尾静脈からColon26癌細胞を移入し、形成された肺転移結節よりexplant out growth法により得られた癌細胞の再度静脈移入により、肺高転移株を樹立し、人工肺転移系マウスモデルが確立した。このモデルはColon26移入後2日目に組織学的肺転移巣の確認ができ、担癌マウス生存期間は平均22.4日であった。 2.マウス免疫系の変化に関する検討 免疫系の中でも、NKおよびCTLの細胞性免疫に焦点を絞り、これら細胞賦活には、IL-2:25000JRU連続3日腹腔内投与およびOK-432:1KE1回腹腔内投与を行った。その結果、マウス脾細胞にYAC-1細胞に対する細胞障害活性の増強が示され、Colon26に対する抗腫瘍活性の増強は見られなかった。MMC処理した癌細胞1×10^6個を1週間隔で2回皮下接種したマウス脾細胞にColon26に対する特異的抗腫瘍活性が誘導され、YAC-1細胞に対する細胞障害活性の増強は見られなかった。 3.マウス免疫担当細胞の同定および活性推移の検討 上記2.処置による賦活免疫担当細胞の同定では、YAC-1細胞に対する免疫担当細胞は、プラスチック非付着分画のThy-1.2(-),アシアロGM1(+)のNK細胞であることが明かとなり、この活性推移は、IL-2,OK-432ともに投与開始後3日目にピークを示し、7日目には対照群と有意差がなくなった。また、MMC処理癌細胞の皮下移植では、プラスチック非付着分画のThy-1.2(+),アシアロGM1(-),CD4(-),CD8(+)のキラーT細胞であることが明かとなり、この活性推移は、2週間以上持続した。
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