1998 Fiscal Year Annual Research Report
癌人工肺転移マウスにおける細胞性免疫NK,CTLの転移制御機構に関する実験的研究
Project/Area Number |
09470411
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
額田 純一郎 大阪大学, 歯学部附属病院, 講師 (70189348)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 逸郎 大阪大学, 歯学部附属病院, 医員
|
Keywords | 肺転移 / ナチュラルキラー細胞 / キラーT細胞 / Colon26 / 細胞性免疫 / 腫瘍免疫 |
Research Abstract |
実験群は,Colon26移入時にNK活性の増強しているIL-2pre(I)群,移入直後に増強してくるIL-2(II)群,移入後5日以後に増強するIL-2post(III)群の3群と移入時にキラー活性の増強が見られ14日目までこの活性が持続するMMC Colon26(IV)群,対照群とした. 1. 宿主免疫賦活による肺転移結節数および癌細胞生体内動態の検討 I群,II群,IV群に肺転移結節数は有意に減少した.II群に比べI群により減少が見られた. ^<51>Cr Colon26移入後の肺集積率は1群に有意に減少し,IV群では対照群と差がなかった. 2. 肺転移制御を担う免疫担当細胞の解析検討 Colon26移入2日前,in vivo抗アシアロGM1抗体投与群の肺転移結節数は有意に増加し,Colon26移入後のNK活性は対照群に比べ低下していた.IV群にColon26移入後2日,7日目に抗CD8抗体投与群ではIV群に比べ肺転移結節数の有意な増加を示し,対照群と同程度であった.Colon26移入14日目のCTL活性はIV群に比べ低下していた.これらの結果より,NK細胞およびキラーT細胞がColon26肺転移形成抑制に働いていることが明らかとなった. 3. 肺転移巣における免疫担当細胞の分布検討 免疫組織学的検討ではIV群の肺転移巣にCD8陽性細胞が認められた. 以上の結果から,NK細胞は主にColon26が血流中にある時期に作用し,またキラーT細胞は主にColon26の標的臓器である肺への到達以後の時期に作用することが示唆された.
|
-
[Publications] 額田 純一郎: "耳下腺部に発生した血管平滑筋腫の1例" 阪大歯学誌. 43(1). 22-25 (1998)
-
[Publications] Rifat Hasina: "Autocirne and paracrine motility factors and their involvement in invasiveness in a human oral carcinoma cell line" British J.Cancer. (in press). (1999)