1998 Fiscal Year Annual Research Report
難治性根尖性歯周炎の病態と病巣内に存在する嫌気性菌の関係
Project/Area Number |
09470419
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
澤田 則宏 東京医科歯科大学, 歯学部, 助手 (70272606)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
須田 英明 東京医科歯科大学, 歯学部, 教授 (00114760)
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Keywords | 根尖病巣 / 嫌気性菌 / 病理組織 |
Research Abstract |
本研究の特色は,東京医科歯科大学歯科保存学第三講座に所属する歯科医師,つまり歯肉治療の専門医が行った根管治療の症例で,従来の根管治療では治癒に至らず,外科的歯内治療を選択せざるを得なかった症例を選ぶということが大きな特徴である.しかし,実際に根管治療の成功率は抜髄症例では95%前後,再治療の感染根管治療でも60〜70%と報告されており,歯内治療を十分に行えば,90%前後が臨床上治癒に至る.そのため,今年度の症例で本研究に当てはまった症例はわずか5症例であった.この5症例の中で,嫌気培養で陽性を示したのが3症例認められた.細菌の種類としては,高頻度の方から,Streptococcus,Lactobacillus,Bacteroides,Fusobacteriumなどが検出された.また,組織学的所見ではほとんどの症例が歯根肉芽種であった.昨年度の7症例とあわせて12症例になったが,現在のところ細菌の種類と臨床症状との関連については明らかでなく,今後さらに症例数を増やしていく必要があると考えている. 昨年度までの課題であった,根尖病変摘出時や手術室から実験室までに起こる細菌叢の変化も,今年はかなり改善されたと考えられ,検出される細菌叢も安定してきている.しかし,症例の中には細菌が検出されなかったものもあり,今後このような症例に関して他の方法を用いることにより結果に違いが生じるかも検討する必要があると思われる.
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