1998 Fiscal Year Annual Research Report
線維芽細胞のIL-1産生およびアポトーシス発現とICEの関連性に関する基礎的研究
Project/Area Number |
09470428
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Research Institution | SHOWA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
小林 誠 昭和大学, 歯学部, 講師 (80186767)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西原 達次 国立感染症研究所, 口腔科学部, 室長 (80192251)
宮澤 康 昭和大学, 歯学部, 講師 (90219775)
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Keywords | 歯肉線維芽細胞 / IL-1 / ICE / アポトーシス / caspase |
Research Abstract |
今回の研究において、歯肉線維芽細胞(HGF)におけるIL-1で誘導されるIL-1ファミリー(IL-1α,IL-1β,IL-1R1,IL-1レセプターアンタゴニスト(IL-1Ra),IL-1βcoverting enzyme(ICE)のmRNA発現を確認、およびタンパクプロッセシングを確認したところ、IL-1で刺激したHGFは、細胞画分に主としてIL-1α、前駆型IL-1βおよびIL-1raを産生した。さらに、IL-1依存的なIL-1ra産生はIL-1産生のピーク後に認められた事から、このIL-1raは内因性、外因性にIL-1活性のdown-modulatorとして働いている可能性がある。またIL-1αで産生誘導されるIL-1βは、細胞画分において前駆型のみ認められたこと、恒常的なICEのmRNA発現が確認されたもののICEキナーゼ活性は認められなかったことから、HGFの細胞内においてICEは活性化されておらず、そのため成熟型IL-1βへのタンパクプロッセシングが発現されていないか、あるいはHGFにおける成熟型IL-1βへのタンパクプロッセシングにはICEが関係していない可能性が示唆された。また、アポトーシスにおけるICEの関連性を検討するために、細菌感染マクロファージを用いてアポトーシスを誘導し、caspase1,3が関与しているか否かを検討した。その結果、感染マクロファージの致死活性は、caspase-1,3における阻害剤を培養系に添加すると致死活性が抑制され、感染マクロファージからのIL-1βの産生も抑制された。また細胞内のcaspase-1,3の活性を測定したところ、caspase-3の活性に先立ちcaspase-1の活性化が誘導されていることが明らかになった。このことから細菌感染マクロファージのアポトーシス誘導にはcaspaseファミリーの酵素群が一連のカスケードを形成し、その発現に重要な役割を担っていることが示唆された。
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[Publications] Koji Nonaka et al.: "Possible involvement of protein kinase C in apoptotic cell death of macrophages infected with Actinobacillus actionycetem conitans." FEMS Microbiology Letter. 159. 247-254 (1998)
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[Publications] N,OKAHASHI et,al: "Caspases(Interleukin-1β-Cancelting Enzyme Family Proteases) Are Involved in the Regulation of the Svl-vival of Osteoclasts" Bone. 23. 33-41 (1998)
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[Publications] NOBUO OKAHASHI: "Specific Inhibitors of Vacuolar H^+-ATPase Trigger Apoptotic Cell Peath of Osteoclasts" JOURNAL OF BONE AND MINERAL RESEARCH. 12. 1116-1123 (1997)