1998 Fiscal Year Annual Research Report
パーシャルデンチャーにおける義歯の動揺と床に関する研究
Project/Area Number |
09470434
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Research Institution | TOKYO MEDICAL AND DENTAL UNIVERSITTY |
Principal Investigator |
水谷 紘 東京医科歯科大学, 歯学部, 助教授 (00014324)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 和夫 東京医科歯科大学, 歯学部, 講師 (90172395)
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Keywords | パーシャルデンチャー / 義歯の動揺 / 床の大きさ / 磁場の測定 / MIセンサ |
Research Abstract |
本研究は義歯床の設定範囲を義歯の運動エネルギー(磁場の変動)から捉えようとするもので、義歯床の大きさを段階的に小さくしていった場合、義歯の動きがどの様に変化するかを把握し、義歯の動揺を容認出来る範囲で義歯床を小さくしようとすることを目的としている。義歯の動きについてはMIセンサを応用した磁場測定装置(D-MI)を使用した。ターゲットとして高さ4ミリ×幅4ミリ×厚さ2ミリのネオジム磁石(マーカー磁石)を用いたものと、磁性アタッチメントの磁石構造体を用いたもの、両者について実験を行った。先ず、マーカー磁石を用いた場合,磁石とセンサとの距離によって出力電圧が異なり,0<X<5ミリで距離の増加と共に出力が減少し,X=25ミリで信号はピークを示し,その後緩やかに減少した.マーキング磁石とセンサとの距離Xを実際の臨床の値に近い15ミリに固定した場合には水平方向のずれZ変位に対する出力はZ≧0ミリにおいてほぼ直線的に(増加し,ΔZ=0.01ミリの変化に対してΔV=0.2ミリボルトの出力が得られた.したがって,0.01ミリ程度の義歯の動きが口腔外から検出できることが確認できた.次に,磁性アタッチメントキーパーと磁石構造体との間のずれによる微小漏洩磁場を測定することで義歯の動揺量に換算出来るか否かを検討した。市販の磁性アタッチメントを応用したのは、口腔内は通常の義歯を装着している状況と全く変わらず、咀嚼、嚥下、発音等の運動がスムースに行えるからである。測定はX=1.5ミリに固定し,Z=0ミリのずれお全く生じていない状態からZ=0.5ミリまで0.05ミリおきに変化させて行った.結果はZ=0.5ミリまでのずれであれば漏れ磁束はずれの量と比例関係にあり,0.1ミリの変位量に対してΔV=20ミリボルトとマーカー磁石よりもかなり大きかった.したがって,磁性アタッチメントの漏れ磁束を義歯の動揺量の指標として用いることは十分可能であることが判明した.そこで,磁性アタッチメント義歯を使用している患者の義歯床を段階的に変化させて義歯の動きを測定した.結果は義歯床を小さくした方が義歯の動きが小さくなる症例もあることが示された.
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[Publications] 水谷 紘: "術者へのアンケートによる磁性アタッチメント使用義歯の追跡調査" 日本補綴歯科学会雑誌. 41(6). 902-909 (1997)
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[Publications] 水谷 紘: "磁性アタッチメントを考察する" 補綴臨床. 31(6). 737-745 (1998)
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[Publications] H.Mizutani: "Changes of Surf Roughness and Attractive Force of Magnetic Attachment" J.of Dental Research. 77. 799-799 (1998)