1997 Fiscal Year Annual Research Report
下顎位・下顎運動の変化が接地足蹠の圧力分布に及ぼす影響
Project/Area Number |
09470443
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Research Institution | The Nippon Dental University |
Principal Investigator |
森田 修己 日本歯科大学, 新潟歯学部, 教授 (40060438)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
清水 公夫 日本歯科大学, 新潟歯学部, 助手 (30267265)
渡辺 秀昭 日本歯科大学, 新潟歯学部, 助手 (70259224)
子司 利昭 日本歯科大学, 新潟歯学部, 助教授 (30178264)
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Keywords | 体平衡機能 / 足底圧 / 下顎安静位 / ガム咀嚼 / 主咀嚼 / 非咀嚼 / 重心動揺 |
Research Abstract |
下顎運動の変化が体平衡機能に及ぼす影響を明らかにするため咀嚼運動時の立位足底圧分布について研究を行った.被験者は,全身的に健康で口腔内,顎関節および頭頸部の諸筋群などに自覚的他覚的に異常が認められず,耳鼻科的疾患に関する既往および現病歴のない日本歯科大学新潟歯学部男子学生30名とした.本研究に使用した立位足底圧分布測定装置のセンサーは厚さ0.25mm,サイズ440mm×480mmで上下のポリエチレンフィルム間に圧力に対し電気抵抗性を示す圧感受性インクをはさむサンドイッチ構造を持っており,8256ポイントの実行圧の測定が可能である.測定環境はできるかぎり一定とし足底圧検出装置上で直立させ,前方の眼の高さの指標を注視するよう指示した.測定は,下顎安静位,右ガム咀嚼,左ガム咀嚼の3種類の口腔機能条件において,開眼でサンプリング周波数10Hz,測定は30秒間で繰り返し3回行った.被験者間の変動の影響を少なくするため,下顎安静位時に対する左右咀嚼時の標準偏差の割合で検討を行った. 重心動揺の標準偏差のX成分(左右)について下顎安静位時と右咀嚼時で,有意な差は認められなかった.Y成分(前後)については有意な差を認め,右咀嚼時の方が小さい結果となった.同様に下顎安静位時と左咀嚼時のX成分では有意な差は認められなかった.Y成分については有意な差を認め左咀嚼時の方が小さい結果となった.今回は,XY成分ごとに分析することで,ガム咀嚼時の重心動揺の減少は,前後成分の減少によるものであることが明らかとなった.主咀嚼側,非主咀嚼側別に同様の分析を行った結果では,習慣性主咀嚼側,非主咀嚼側の違いが重心動揺の変化に影響しないことが明らかとなった.
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