1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09470450
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Research Institution | Jichi Medical University |
Principal Investigator |
草間 幹夫 自治医科大学, 医学部, 講師 (60124690)
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Keywords | 口腔腫瘍 / 切除範囲 / 咬合機能 / 咬合力 / デンタルプレスケール |
Research Abstract |
上顎歯肉扁平上皮癌患者18例について術後のアンケート調査、臨床所見およびデンタルプレスケールによるこう咬合力検査に基づき口腔機能の検討を行った。 アンケート結果による口腔機能障害の頻度は全体で27.0%であった 進展範囲分類を、歯肉限局型、頬粘膜進展型、口蓋進展型および頬粘膜口蓋進展型の4つとして開口障害との関係について検討すると、開口障害自覚症例4例はいずれも頬粘膜口蓋進展型であった。その4例中3例は放射線外照射を含む、いわゆる三者併用療法が行われていた。術後咀嚼機能の評価を山本の咬度表により、咬度と咬合歯数との関係でみると、咬合歯数の多いほど咬度は高い傾向であった。デンタルプレスケールによる平均咬合力に関する分析では、腫瘍の発生部位で前方型が側方型、後方型に比べて有意に高く、進展範囲分類では、歯肉限局型が頬粘膜進展型、頬粘膜口蓋進展型に比べて有意に高く、口蓋進展型はその中間であった。手術時の切除面積に関して9cm^2以下が10〜19cm^2、20cm^2以上に対して有意に高い咬合力を示した。最終義歯装着症例14例について平均咬合力と咬合歯数との関係では明らかな相関はなかった(以上、1998年口腔腫瘍学会にて発表済み)。 上記とは別に、口腔腫瘍患者15例と同数の健常者について平均咬合圧(MPα)、咬合力(N)および咬合面積(mm^2)を術前、術後に分けて、また検討した。それによると健常人と腫瘍患者では平均咬合圧は変わらないものの、咬合面積および咬合力は腫瘍患者で有意に低値であった。腫瘍患者の術前、術後では平均咬合圧は著変ないものの、咬合面積および咬合力は術後に有意に低値であり、特に側方運動時に著明であった(以上、1998年日本口腔外科学会にて発表予定)。
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