1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09470450
|
Research Institution | Jichi Medical University |
Principal Investigator |
草間 幹夫 自治医科大学, 医学部・歯科口腔外科, 助教授 (60124690)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松本 浩一 自治医科大学, 医学部・歯科口腔外科, 病院助手 (40275706)
|
Keywords | 口腔腫瘍 / 切除範囲 / 咬合機能 / 咬合力 / デンタルプレスケール |
Research Abstract |
口腔腫瘍患者20例(術前7例および術後13例)を健常者を対照として平均咬合圧(MPa)、咬合面積(mm^2)および咬合力(N)を術前、術後に分けて検討した。それによると、術後の患者は咬合面積が平均7.26mm^2、咬合力が平均321.23Nと健常者(咬合面積が平均19.86mm^2、咬合力が平均868.35N)に比べ有意に低かったが(p<0.01)、平均圧力はともに46MPaで差がなかった。咬合バランスの左右差については術前、術後において顎補綴義歯を装着した状態で、咬合面積、咬合力ともに約50%の左右差を認め、健常者(左右差約10%)に比べ有意に(p<0.01)低かった。咬合力中心は対照群で左右第一大臼歯咬頭間正中にあったのに対し、腫瘍術前、術後患者においてはそれが明らかに健側に偏位していた。 次に、口腔腫瘍患者23例における術後の咬合力などの経月的変化を検討した。患者を手術内容別にすなわち頬粘膜腫瘍切除、舌部分切除、舌部分切除+全頸部郭清、舌口底切除+全頸部郭清+皮弁による再建、下顎辺縁切除、下顎区域切除および上顎部分切除に分類し、検討した。それによると、咬合面積については舌部分切除症例、下顎辺縁切除症例および上顎部分切除症例などの局所の部分的な切除であったものは術後3ヶ月くらいまでは低下するものの、6ヶ月、12ヶ月ではむしろ術前より上昇した。一方、皮弁を用いた拡大手術症例では術後12ヶ月での咬合面積の快復は軽度であった。平均咬合圧は様々な程度の手術侵襲に影響を受けず、手術前後で明らかな変化は無かった。平均咬合力は全体に術後1,3ケ月で減少したが、6ヶ月、12ヶ月では快復あるいは術前より症例によりたかくなった。しかし、切除範囲の大きな症例は回復が遅く、12ヶ月では術前の高さにはならなかった。
|