1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09470450
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Research Institution | Jichi Medical School |
Principal Investigator |
草間 幹夫 自治医科大学, 医学部, 助教授 (60124690)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松本 浩一 自治医科大学, 医学部, 助手 (40275706)
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Keywords | 口腔腫瘍 / 下顎歯肉癌 / 上顎歯肉癌 / 舌癌 / 咬合力 / 咬合面積 / 咬合バランス / デンタルプレスケール |
Research Abstract |
デンタルプレスケールを用いて口腔癌手術後の咬合力,咬合面積,咬合バランス,咬合力中心について検討した。 対象症例は下顎歯肉癌11例,上顎歯肉癌5例,舌癌11例,頬粘膜癌2例の計29例であり,対照として歯の欠損その他の口腔疾患のない健常人37例であった。健常人中心咬合位での咬合面積は平均15.3mm^2,咬合力は平均644.6Nであった。咬合バンランスは80%の症例で左右差が30%以下であった。咬合中心は左右第一大臼歯咬頭間正中にあった。側方運動時は咬合面積が平均39.9mm^2,咬合力が平均1492.8Nと中心咬合位に比べて著明に高かった。下顎歯肉癌術後の中心咬合位での咬合面積は平均5.56mm^2,咬合力は平均256.7Nであり,健常者に比べ有意に低かった(P<0.01)。咬合バランス,咬合中心は健側に偏位していた。側方運動時の咬合面積,咬合力は有意に低かった(P<0.01)。残存歯数により咬合面積,咬合力は大きく影響を受けた。舌癌術後の中心咬合位での咬合面積は平均8.1mm^2,咬合力は平均371Nであり,下顎歯肉癌より高かったが健常人に比べ有意に(それぞれP<0.01,P<0.05)低かった。咬合バランスの左右差が30%以上の症例は11例中4例(36%)と下顎歯肉に比べ変化は少なかった。上顎歯肉癌術後の中心咬合位での咬合面積は平均4.83mm^2,咬合力は平均209.6Nであり,健常人に比べ有意に低かった(P<0.01)。Eichner分類でCに相当する残存歯の少ない上顎部分切除症例で最も咬合力が低下していた。咬合バランスは全5例で左右差が30%以上であった。 結語 1.咬合面積,咬合力について口腔癌手術後患者は健常人に比べて有意に低かった。平均咬合圧については有意差はなかった。 2.咬合バランスは口腔癌手術後患者で有意に左右差があった。 3.口腔癌患者の咬合力測定についてデンタルプレスケールシステムは有用であった。
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[Publications] Mikio Kusama et al.: "Malignancy score of primary desion and metastatic lymph node in squamous cell carcinoma of the tongue"The Asian Journal of Oral and Maxillofacial Surgery. 11・1. 19-29 (1999)
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[Publications] 松本浩一,草間幹夫他: "デンタルプレスケールを用いた口腔腫瘍癌患者における咬合力変化に関する研究"日本口腔外科学会総会にて発表予定. (2000)