1997 Fiscal Year Annual Research Report
O-1N由来高転移、低転移株を用いたリンパ節転移機序の検索
Project/Area Number |
09470451
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
中島 民雄 新潟大学, 歯学部, 教授 (10014010)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
新垣 晋 新潟大学, 歯学部, 助教授 (30134943)
織田 公三 新潟大学, 歯学部, 教授 (10122681)
朔 敬 新潟大学, 歯学部, 教授 (40145264)
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Keywords | 口腔癌 / リンパ節転移 / 接着分子 / MMP / TIMP |
Research Abstract |
1。脈管侵襲の検索。光顕観察では、O-1Nの腫瘍組織移植と同様、O-1N由来高転移、低転移細胞株の頬嚢に移植でも胞巣ごとリンパ管に侵入、転移をきたす様子が観察された。なお、低転移株でも転移を起こすようになったため、新しい株を樹立中である。電顕観察では、リンパ管、血管いずれにも胞巣の圧迫による内皮細胞の変性部位から侵襲するが、血管では胞巣が分断されるのに対しリンパ管では胞巣形態がよく保たれていた。現在、ヒト口腔癌についてもその脈管侵襲様式を検索中である。 2。カドヘリン、カテニン発現の検索。O-1Nの腫瘍組織移植では、カドヘリンの発現低下が観察された。O-1N由来高転移株、低転移株の培養では、細胞質内にドット状に見られるシグナルが細胞接着とともに辺縁に移行する様子が見られ、両細胞間では、それらの発現に明らかな差は認められなかった。 3。MMP9の発現の検索。O-1Nの腫瘍組織移植にて、MMP9に対する抗体を用いて、proMMP9の局在とラミニンの免疫染色による腫瘍基底膜の変化の関係をリンパ管侵襲と関連づけて観察中である。また、転移株のMMPとTIMP1の発現も検索中である。 4。TIMP1の転移阻止の検索。ヒトTIMP1のcDNAをO-1N由来細胞に導入し、ハムスターのMMPをブロックできるかどうか、検索中である。 5。微小転移の検索。ヒトサイトケラチン19mRNA塩基配列をもとに作ったプライマーにて増幅されたPCR生成物の塩基配列はマウスおよびヒトサイトケラチン19と90%以上の相同性がみられたため、ハムスターのサイトケラチン19と考えられ、これによりO-1Nの微小転移の検出が可能と思われる。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] Chuujoh T, Kuwano R, Nakajima T.: "Differential expressions of laminin and matrix metalloproteinases in the metastatic and nonmetastatic cells isolated from squamous cell carcinoma(O-1N)" Oral Med.Path.2. 81-87 (1997)