1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09470470
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
渡邊 達夫 岡山大学, 歯学部, 教授 (20034176)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 龍生 岡山大学, 歯学部・附属病院, 講師 (20252984)
森田 学 岡山大学, 歯学部・附属病院, 講師 (40157904)
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Keywords | 機械的刺激 / 血管内皮細胞 / 血管新生 |
Research Abstract |
血管内皮細胞にはstretch activated channelの存在が報告されている。ヒト歯肉毛細血管内皮細胞にも他の血管と同じように機械的刺激により血管内皮細胞の増殖や、血管の新生がおこると思われる。本研究では,機械的刺激による歯肉由来細胞の応答性を明らかにすることを目的とした。しかし,ヒト歯肉毛細血管内皮細胞の分離は得られる歯肉量が少ないことから困難である。そこで平成9年度においては,まずサイタイ動・静脈を使用し,機械的刺激に対する応答性として血管新生に着目した。血管新生の指標として,VEGFとそのレセプター(flt-1,kdr,flt-4)をmRNAレベルで検討した。サイタイ血管内皮細胞より回収したmRNAをRT-PCR法により増幅し,定量,比較した。フレクサ-セルを用いて細胞に機械的刺激を最大の応力(24%伸展)で0,6,12,24時間与えた。サイタイ静脈血管内皮細胞は与える機械的刺激の時間が長くなるにつれVEGF、kdrのmRNAの発現が増加した。逆にflt-1,flt-4のmRNAの発現は減少した。これらによりサイタイ静脈血管内皮細胞は機械的刺激によりVEGFとそのレセプターのmRNAの発現の応答性が異なることが示唆された。また,静地の状態ではサイタイ静脈血管内皮細胞に比べ,サイタイ動脈血管内皮細胞のflt-1 mRNAの発現が少なく,サイタイ動脈と静脈血管内皮細胞でmRNAの発現のパターンが異なる可能性が示唆された。また,今後必要となる歯肉毛細血管内皮細胞の分離も併せて行っている。
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