1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09470470
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Research Institution | OKAYAMA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
渡邊 達夫 岡山大学, 歯学部, 教授 (20034176)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西 一也 岡山大学, 歯学部, 助手 (10274002)
山本 龍生 岡山大学, 歯学部・附属病院, 講師 (20252984)
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Keywords | 機械的刺激 / 歯肉線維芽細胞 / フィブロネクチン / PCNA |
Research Abstract |
本研究の目的は、機械的刺激に対して、歯肉由来細胞がどのように応答するのかを明らかにすることである。本年度は、ヒト歯肉線維芽細胞に機械的刺激を与え、同細胞の応答性を検討した。ヒト歯肉線維芽細胞は、通法に従い分離し、細胞伸縮装置(フレクサーセル)を用いて細胞に機械的刺激を与えた。 まず、機械的刺激に対する同細胞の細胞増殖能を検討するために、細胞数、PCNA陽性細胞数を指標として測定を行った。刺激の条件は、最大応力(24%伸展)で、0,6,24時間細胞に刺激を与えた後、それぞれ、48,42,24時間静置し測定を行った。その結果、コントロールを100としたとき、6,24時間刺激した場合、細胞数では、それぞれ、99.0,102.0、また、PCNA細胞数では、それぞれ、134.4,137.0となり有意な差は認められなかった。 次に、細胞の接着、移動などに関与し、組織の修復過程に影響を与える、細胞外マトリックスの基本的構成成分であるフィブロネクチンに注目し、機械的刺激に対する同細胞のフィブロネクチン産生能を検討した。3%,6%伸展の刺激で24時間細胞に刺激を与えた後、産生量を測定した。その結果、コントロールを100としたとき、3%,6%伸展で細胞を刺激したとき、フィブロネクチン産生量は、それぞれ、128.6,114.2となり、3%伸展において、1%の危険率で有意な差が認められた。このことより、適切な刺激条件下において、組織修復に関与しているフィブロネクチンの同細胞による産生が高められる可能性があることが示唆された。
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