1999 Fiscal Year Annual Research Report
病理遺伝子のアンチセンスRNA導入によるう蝕細菌の非病原化療法
Project/Area Number |
09470474
|
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
山下 喜久 九州大学, 歯学部, 助教授 (20192403)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中野 善夫 九州大学, 歯学部, 講師 (80253459)
|
Keywords | う蝕細菌 / アンテセンスRNA / 遺伝子導入 |
Research Abstract |
1)ファージの誘導条件の検討 昨年度の研究で溶原化ファージが既に感染しているStreptococcus mutansをサザンブロット分析で特定したところ、溶原化ファージが感染していると思われる10株のS.mutansが認められた。これらの菌株について、紫外線照射あるいはマイトマイシンC処理を行っても、培養上清中へのバクテリオファージを誘導することができなっかたので、バクテリオファージを誘導する際に、過去にランダプロファージの放出を誘導することが報告されているK_2CrO_4、Pb(NO_3)_2、MnCl_2、Ni(OOCCH_3)_2、CrCl_2、NaWO_4、Na_2MoO_4、KMnO_4などの金属を加えて、誘導条件の検討を行った。しかし、これまでの条件ではS.mutans株からバクテリオファージを効率よく誘導することはできなかった。 2)Tween 80によるgtfB遺伝子の発現誘導機構の解明 アンチセンスRNAを充分な量発現させるために、発現効率の高いプロモーターの開発が必要である。これまで研究で、S.mutansの遺伝子のプロモータの中では、gtfB遺伝子のプロモータが最も発現効率が高く、この発現効率はTween 80の添加によってさらに大きく活性化することを明らかにしてきた。本年度はこの誘導機構の解明を行った。まず、ビオチン化したgtfB遺伝子のプロモータ上流部の遺伝子をPCRによって増幅して、これをBIA Coreのセンサーチップに固定した。ついで、S.mutansをTween 80で誘導した場合としない場合の菌体破砕物を調製し、これらの破砕物中にgtfB遺伝子のプロモータ上流部と相互作用を示す物質が存在しているかどうかを調べた。この結果、Tween 80で誘導した場合に有意に高い結合活性が認められたことから、Tween 80によってgtfB遺伝子のプロモータ上流部に結合して同遺伝子の転写を活性化する物質が誘導されることが明らかとなった。
|
-
[Publications] Y. Yamashita et al: "Biological functions of UDP-glucose synthesis in Streptococcus mutans"Microbiology. 144. 1235-1245 (1998)
-
[Publications] Y. Yamashita et al: "A novel gene requined for rhamnose-glucose poly sacharide synthesis in Streptococcus mutans"Journal of Bacteriology. 181・20. 6556-6559 (1999)
-
[Publications] Y. Yamashita et al: "Recombination between gtfB and gtfC is requied for survival of a dTOP-rhan***ose syntksis-defficient"Infect and Immunity. 67・7. 3693-3697 (1999)