1999 Fiscal Year Annual Research Report
光学活性ベンズアルデヒドを活用する抗腫瘍性化合物の不斉合成
Project/Area Number |
09470484
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
花岡 美代次 金沢大学, 薬学部, 教授 (80028844)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
片岡 治 金沢大学, 薬学部, 助手 (40303292)
向 智里 金沢大学, 大学院・自然科学研究科, 教授 (70143914)
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Keywords | 不斉ベンズアルデヒド / スチリルラクトン / ゴニオヘプトライド / 不斉アルドール反応 / 1,3-双極子環状付加反応 |
Research Abstract |
1.光学活性ベンズアルデヒドから、2回の不斉アルドール反応並びにγ-ラクトンからラクトールを経るδ-ラクトンへの変換反応を利用して、スチリルラクトンのδ-ラクトン構造を持つゴニオジオール及びδ-ラクトンを含むビシクロ構造を有する9-デオキシゴニオピピロンの光学活性体を立体選択的に全合成した。 2.8員環ラクトン構造を有する特異な構造式が提出されているスチリルラクトンのゴニオヘプトライドAのスペクトルデータを検討したところ、幾つかの疑問点を見出したので、その構造を再検討した。先に全合成したゴニオフピロンからの変換合成によりゴニオヘプトライドAに導くことができた。その結果、ゴニオヘプトライドAは提出されていた8員環構造ではなく、テトラヒドロフラン環を持つメチルエステル構造であることが合成的に証明された。 3.光学活性ベンズアルデヒドから導かれる不斉ニトロンと各種オレフィンとの1,3-双極子環状付加反応は高い位置並びに立体選択性を示すのに対し、クロム錯体を形成していないニトロンを用いた反応では選択性が著しく低下することが判明した。ここにクロム錯体の立体選択的反応における有用性が示された。
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