2000 Fiscal Year Annual Research Report
コレステロール合成阻害活性化合物ビリジオフンジン類およびザラゴジン酸類の合成
Project/Area Number |
09470487
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
畑山 範 長崎大学, 薬学部, 教授 (20143000)
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Keywords | スクワレン合成酵素阻害活性 / スフィンゴ脂質合成阻害活性 / 抗菌活性 / ビリジオフンジン / ザラゴジン酸 / 不斉合成 |
Research Abstract |
急速に高齢社会を迎えつつある現在、老人性疾患治療薬の開発は急務である。その中で、加齢に伴うコレステロールの蓄積は動脈硬化等の種々の重篤な疾病を誘発することから、非常に深刻な問題となっており、より有効なコレステロール低下薬の出現が待たれている。このような背景から、スクワレン合成酵素阻害に起因する強力なコレステロール合成阻害活性を持つビリジオフンジン類化合物やザラゴジン酸類化合物の合成研究は社会のニ-ズに沿ったものであり、これらの天然物はもとより、種々の誘導体の供給をも可能にする効率的合成法の開発を目的に、本課題研究を開始した。これまで既に、ビリジオフンジンAトリメチルエステルの全てのジアステレオマーの合成に成功しているので、12年度においては、11年度に引き続いて、エステルを完全に加水分解しビリジオフンジンAとそのジアステレオマーに誘導することを検討した。その結果、現在までのところ加水分解条件で様々な分解物が生成し、ビリジオフンジンAの全合成の完成までには至らなかった。従って、ビリジオフンジンAの合成前駆体としてメチルエステル体は適していないという結論に達し、現在、最終段階において脱保護可能なエステル体の作成を検討中である。また、ザラゴジン酸類化合物の合成についても、11年度に引き続き、鍵段階であるジアルケニルカルビノール誘導体のジヒドロキシル化反応について、様々な基質を作成し検討した。その結果、本反応は、アルコキシ置換基の立体配置を反映し、高い立体選択性で進行することを見いだした。
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