1998 Fiscal Year Annual Research Report
がん原遺伝子産物c-Mycの働きを制御するMax蛋白質の構造と機能
Project/Area Number |
09470492
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
上杉 晴一 横浜国立大学, 工学部, 教授 (70028851)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
栗原 靖之 横浜国立大学, 工学部, 助手 (80202050)
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Keywords | がん原遺伝子 / DNA結合蛋白質 / 転写制御因子 / c-Myc / Max / 蛋白質 / DNA-蛋白質相互作用 / 構造 |
Research Abstract |
1. Max蛋白質およびそのDNA複合体のCDスペクトルによる熱安定性の解析 Max蛋白質(160アミノ酸)のアミノ末端側ドメイン(2-110)を含むMax110蛋白質について、222nmのCD強度(α-ヘリックス含量の目安となる)を追跡し、熱変性曲線を測定した。 蛋白質単独、特異的結合配列CACGTGを含む2重鎖DNA(CG-DNA)との複合体、配列中央部のCGをGCに変えた2重鎖DNA(GC-DNA)との複合体のTmは、それぞれ42℃、51℃、44℃となり、高温では非常に高い結合の塩基配列特異性が観察される事が判った。 2. Max蛋白質の二量体形成に及ぼす温度の影響の沈降平衡法による分析 Max110の沈降平衡分析を温度を変えて(4、25、37℃)行った。その結果は、蛋白質が単体と二量体との間の平衡状態にある事を示した。4℃では殆どが二量体となっているが、温度の上昇とともに単量体が増えた。従って、CD変性曲線は二量体から単量体への転移をも示している事が判った。 3. Max蛋白質-DNA複合体形成とその熱安定性のゲル電気泳動による分析 Max110と^<32>P標識したCG-DNAあるいはGC-DNAとの混合物の非変性条件におけるポリアクリルアミドゲル電気泳動を行い、DNAの移動度の変化を調べた。CG-DNAの場合は、4℃でも45℃でも複合体を形成し移動度が著しく減少したが、GC-DNAの場合は、45℃にすると移動度はDNA単独の時に近くなった。以上の結果より、CD変性曲線は、α-ヘリックスの崩壊、二量体の解離、蛋白質-DNA複合体の解離を同時に反映している事が明らかになった。
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