1997 Fiscal Year Annual Research Report
新たに見い出した抗糖尿病薬結合タンパク質の構造と新しい機能、疾患との関連性の追求
Project/Area Number |
09470513
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
中山 仁 熊本大学, 薬学部, 教授 (70088863)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
國安 明彦 熊本大学, 薬学部, 教務員 (90241348)
甲斐 広文 熊本大学, 薬学部, 助教授 (30194658)
石塚 忠男 熊本大学, 薬学部, 助教授 (60176203)
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Keywords | スルホニルウレア / グリベンクラミド / 光アフィニティラベル / マクロファージ / スカベンジャー受容体 / CD36 |
Research Abstract |
心筋のスルホニルウレア受容体(SUR)を解析すべく、そのリガンド[^3H]-glibenclamide(GB)により光アフィニテイラベルを行ったところ、SUR2遺伝子の翻訳産物とは異なるタンパクとしてCD36と酷似した分子を見いだしたことが本研究の発端ではあるが、本年度はこの新しいタンパクの同定を図ることを主たる目的にした。得られた成果を以下に述べる。 (1)本年度はCD36発現が知られているマクロファージ(MΦ)を用いて解析した。その結果、MΦ中の88kDaのポリペプチド量がGBで特異性高く光ラベルされ、また抗CD36抗体でも免疫沈降できることから、これがCD36であることが明らかになった。さらに、MΦCD36の機能とみなされている酸化LDLのMΦへの取り込み活性が、GBによって濃度依存的に阻害されることもわかった。この阻害効果は、非選択的な細胞毒性によるものではないことも確かめられた。CD36は、コレステロール代謝と関連するスカベンジャー受容体スーパーファミリーに属するものである。インスリン非依存性糖尿病の治療薬として用いられるSU化合物が、動脈硬化と関連するといわれるスカベンジャー受容体とも結合し、その機能を抑えるとの結果は初めてのものであり、興味深い。この結果をふまえ、今後さらに研究の展開を図る。 (2)CD36分子の機能は細胞によって微妙な差違いがあると考えれることから、脂肪細胞を用いた実験を開始した。
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[Publications] M. Akao, et al.: "Myocardial ischemia induces differential regution of KATP channel gene expression in rat hearts" J. Clin. Invest.100. 3053-3059 (1997)
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[Publications] S. Takeda, et al.: "Adenosine 5′-triphosphate binding to bovine serum albumin" Biophys. Chem.70. 175-183 (1997)
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[Publications] M. Nakayama, et al.: "Hydroxamide as a cherating molety for the preparation of ^<99m>Tc-radiopharmaceuticals. III." Appl. Radiat. Isot.48. 571-577 (1997)
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[Publications] L.-C. Xu, et al.: "Synthesis and evalution of hydroxamide-based tetradendate Ligands as a new class of thiol-free chelating molecules" Nucl. Med. Biol.25(印刷中). (1998)
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[Publications] A. Kuniyasu, et al.: "Photochemical idnetification of transmembrane segment IVS6 as a binding region of semotiadiL" J. Biol. Chem.273. 4635-4641 (1998)
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[Publications] 國安明彦ら: "Caチャンネルの分子構造と機能相関" 心臓. 30. 71-76 (1998)
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[Publications] 中山 仁: "医系薬理学(遠藤仁,橋本敬太郎,後藤勝年・編著)" 中外医学社, 562 (1997)