1997 Fiscal Year Annual Research Report
大脳皮質アポトーシス抑制分子の構造決定と細胞情報伝達下流に働く遺伝子群の解析
Project/Area Number |
09470525
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
植田 弘師 長崎大学, 薬学部, 教授 (00145674)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
洪 成忠 長崎大学, 薬学部, 助手 (70225358)
吉田 明 長崎大学, 薬学部, 助教授 (70257187)
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Keywords | アポトーシス / 初代培養 / アンチセンス / キナーゼ / 自己リン酸化 |
Research Abstract |
ラット大脳皮質の高密度初代培養上清に存在するアポトーシス抑制蛋白質(AIP)についてその情報伝達機構の解析を行った。特にAIPによる低密度培養条件下での生存活性上昇と高密度培養特異的に発現する遺伝子(HDS)との間に関連があることを示唆するデータを得た。すなわち、高密度下での場合に見られたのと同様に、蛋白質リン酸化酵素と予想されるHDS1及び酵母のMAK10と相同性のあるHDS2のmRNAが、AIPを添加した低密度培養条件でも発現が上昇していることを明らかにし、さらにHDS1及びHDS2のアンチセンスオリゴヌクレオチドを高密度培養に添加すると、培養24時間後の生存が減少することを観察した。また、AIP添加した低密度培養条件下での細胞死抑制が、HDS1のアンチセンスオリゴヌクレオチド添加により添加により阻害されることを観察した。いずれの場合もミスマッチオリゴヌクレオチドでは効果が見られなかった。HDS1及びHDS2に対する抗体を作成し、脳抽出物を電気泳動後イムノブロット解析を行ったところ、それぞれ約80kDaと約90kDaの蛋白質の発現が確認された。HDS1に関しては、染色されたバンドがブロードであり、自己リン酸化の可能性について検討中である。HDS1は、脳内で大脳皮質や海馬において多く発現していることを見出している。また、神経系以外の組織、筋肉や肝臓などでもこの抗体で認識されるものが発現しており現在解析を行っている。
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Research Products
(8 results)
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[Publications] Hiroshi Ueda: "Multiple forms of AMPA-type glutamate receptor mRNA phenotpes in goldfish retina and tectum." General Pharmacol.29. 575-581 (1997)
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[Publications] Hiroshi Ueda: "Partical loss of tolerance liability to morphine analgesia in mice lacking the nociceptin receptor gene." Nerosci. Lett.237. 136-138 (1997)
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[Publications] Yukio Sasaki: "Anti-amnesic action of cromakalim, a potassium channel opener, in mice treated with hypoxia-and cerebral ischemia-type stress stimuli." Cell. Mol. Neurobiol.(印刷中). (1998)
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[Publications] Kaoru Nakao: "Antiamnesic action of cromakalim, a potassium channel opener, in mice treated with hypoxia-and cerebral ischemia-type stress stimuli." Cell. Mol. Neurobiol.(印刷中). (1998)
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[Publications] Shogo Tokuyama: "Lack on tolerance in peripheral opioid analgesia in mice." Life Sci.(印刷中). (1998)
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[Publications] Keiko Kakizawa: "Parallel stimulations of in vitro and in situ [^<35>S]GTPγS binding by endomorphin 1 and DAMGO in mouse brains." Peptides. (印刷中). (1998)
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[Publications] 植田 弘師: "オピオイド -適正使用と最近の進歩- (ミクス)" オピオイド受容体とノシセプチン受容体の情報伝達, 21 (1997)
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[Publications] 植田 弘師: "脳と神経科学シリーズ 痛みの神経科学 (Medical View)" 痛みと痛みを抑えるトランスミッターおよび受容体, 15 (1997)