1999 Fiscal Year Annual Research Report
仮想実験環境における定性推論の技法を用いた認知的葛藤の制御
Project/Area Number |
09480066
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
豊田 順一 大阪大学, 産業科学研究所, 教授 (00029456)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
稲葉 晶子 大阪大学, 産業科学研究所, 助手 (10304049)
松田 憲幸 大阪大学, 産業科学研究所, 助手 (40294128)
柏原 昭博 大阪大学, 産業科学研究所, 講師 (10243263)
堀口 知也 神戸商船大学, 情報システム工学講座, 講師 (00294257)
平嶋 宗 九州工業大学, 情報工学部, 助教授 (10238355)
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Keywords | 知的教育支援システム / 認知的葛藤 / 定性推論 / 内発的動機づけ / 挙動シミュレーション / 誤りの可視化 / メタファ |
Research Abstract |
知的教育支援システムの研究において,学習者に内発的動機づけを与えるための支援の実現が,近年の重要な課題となっている.このための手段として,挙動シミュレーションを用いて認知的葛藤を喚起する手法を確立することが,本研究の目標である.挙動シミュレーションが認知的葛藤を引き起こすための条件の同定,およびそのようなシミュレーションの生成・制御法が求められる。 前年度までに,(1)学習者の誤りを反映した挙動シミュレーションの,基本的な可視化効果に関する条件と診断機能の実現,(2)可視化対象となる誤り範囲を拡大するためのメタファー使用に関する効果の検討,が完了している.実装システムの有効性は,人間を被験者とした実験によって確認された. 本年度の成果は次の通りである.可視化範囲の拡大に伴い,シミュレーション生成時に用いられる種々の表現手法が,認知的葛藤の喚起に与える影響が無視できないものとなる.そこで,挙動シミュレーションの可視化効果に関わる諸要因と,その表現手段に関わる諸要因とを分離し,各々がシミュレーションの教育効果を構成するメカニズムを明らかにした.前者は挙動シミュレーションの「見え方」に関する諸要因,後者は「見せ方」に関する諸要因と呼ばれる.各々の要因の影響を,条件統制された認知実験によって個別に検証した.さらに,これらの結果を踏まえて,認知的葛藤の喚起能力を考慮して挙動シミュレーションを生成・制御するシステムを実装し,人間を被験者とした実験によってその有効性を確認した.これらの研究成果は,別掲の雑誌掲載論文,国際会議発表論文などにより公表されている.
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Research Products
(3 results)
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[Publications] T.Horiguchi, T.Hirashima, A.Kashihara, and J.Toyoda: "Error-Visualization by Error-Based Simulation Considering Its Effectiveness -Introducing Two Viewpoints-"Proceedings of the 9th International Conference on Artificial Intelligence in Education. 421-428 (1999)
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[Publications] 平嶋宗: "誤りマイクロワールド"1999年度人工知能学会全国大会論文集. 73-76 (1999)
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[Publications] 平嶋宗: "知識処理に基づいたシミュレ一ション"教育システム情報学会全国大会講演集. 75-76 (1999)