1999 Fiscal Year Annual Research Report
集合型熱拡散塔を用いる窒素15の濃縮法に関する研究
Project/Area Number |
09480098
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
山本 一良 名古屋大学, 工学研究科, 教授 (50023320)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 登 名古屋大学, 工学研究科, 助手 (70293652)
榎田 洋一 名古屋大学, 工学研究科, 助教授 (40168795)
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Keywords | 同位体分離 / 熱拡散 / 熱拡散塔 / 深冷 / 窒素同位体 / 窒素15 / 計算機シミュレーション / 数値解析 |
Research Abstract |
冷壁温度を室温以下にした単塔の擬似深冷壁熱拡散塔に関する昨年度までの研究の結果,窒素の室温以下での熱拡散ファクターの不完全性が理論解析と検証実験の結果が一致しない原因であることが示唆されていたため,従来,理論的な取り扱いの難しかったものの,低温側で比較的影響が大きくなると考えられる多原子分子の非弾性衝突の影響を取り入れて熱拡散ファクターを再評価することにより,理論解析モデルの精度を向上させた。 また,熱線に電流を通じる前後での熱拡散塔内の圧力差と熱線温度との関係を導出し,検証実験における熱線温度の測定法として有効であることを示した。さらに,この新しい熱線温度の測定法の精度を従来法と比較することで確認した後,単塔の擬似深冷壁熱拡散塔による窒素15濃縮実験に適用して,理論解析の重要な入力データである熱線温度の精度向上を図った。この結果,冷壁温度を室温以下にした単塔の擬似深冷壁熱拡散塔の分離性能を理論解析によって,十分な精度で予測できるところとなった。 集合型深冷壁熱拡散塔による窒素15濃縮特性については,昨年度まで研究で作成された単塔型深冷壁熱拡散塔に対する解析手法を基にして集合体型熱拡散塔の解析手法を整備した。この解析手法を用いることにより一例として,単塔の塔長を10mとする場合,カスケードの解析により目標濃縮度である99.9%超の窒素15の濃縮を達成するのに必要な直列に接続する必要のあるステージ数は5であることと必要処理量を満たすために並列に接続する必要のある塔数を明らかにした。さらに,窒素15濃縮プラントの概念設計を行い,100万kWe級の高速増殖炉が窒化物燃料で運転されるときに,1年間あたり必要な窒素15を1年間で濃縮するプラントの規模では,10mの塔長の熱拡散塔の必要数は89,600本であり,プラントの敷地面積は157m^2と評価された。
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