1997 Fiscal Year Annual Research Report
核融合炉の新しいプラズマ第1壁構造材・冷却材系の探索
Project/Area Number |
09480105
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
近藤 達男 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (10271868)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菱沼 章道 日本原子力研究所, 材料研究部, 照射解析研究室長
李 鎔宣 東北大学, 大学院・工学研究科, 助手 (10271876)
渡辺 豊 東北大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (10260415)
庄子 哲雄 東北大学, 工学部, 教授 (80091700)
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Keywords | 核融合炉 / プラズマ第1壁構造材 / 冷却材 / TiAl系金属間化合物 / 低放射化フェライト鋼 / 過熱水蒸気 / バナジウム合金 / 材料-環境両立性 |
Research Abstract |
核融合炉の真空プラズマ領域とエネルギー転換系を隔てる第1壁構造材料の開発が直面する耐中性子照射劣化、冷却材との両立性などの多因子問題を解決する戦略の一つとして、革新的素材の起用を含む炉心部物質造成の設計概念を設けるための提案を行った。従来顧みられなかった過熱水蒸気を熱搬送に用いることを提案するとともに、システムを構成するための革新的な材料との両立性を調べた。供試材として当該研究者らが過去に開発し、国際的に現在最も有望な候補材とされる低放射化フェライト・マルテンサイト鋼(F82H)、代替材料として広く研究対象とされているバナジウム合金(2種)、そして革新的な材料として新開発2種を含むAl-Ti系金属間化合物を3種用い、過熱水蒸気を中心に両立性の実験的評価を行った。 650℃、最高100気圧までの高圧過熱水蒸気による試験が可能な実験装置を試作し、これを用いて種々の圧力下で約300時間までの実験を行い以下の所見を得た。 1.Al-Ti系材料が最も高い両立性を示し、これに続くF82H鋼は先進ボイラー鋼とほぼ等価の特性を持つことがわかった。 2.バナジウム合金は急速に劣化した。 3.Al-Ti系材料では、常温延性を含む機械的特性改良のために添加した約10%のバナジウムが酸素を含む強酸化性環境で、耐酸化性を阻害するのに対し、過熱水蒸気中では著しい改善効果を示すことを見出した。 4.Al-Ti-V材料の酸化速度はF82H鋼の約100分の1に抑えられた。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 近藤 達男: "TiAl金属間化合物の高温過熱水蒸気中の酸化" 耐熱金属材料第123委員会研究報告. 39・1. 45-51 (1998)
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[Publications] Tatsuo Kondo: "An Evaluation of Potential Material-Coolant Compatibility for Applications in Advanced Fusion Ractors" Journal of Nuclear Materials. (掲載予定). (1998)