1999 Fiscal Year Annual Research Report
核融合炉の新しいプラズマ第1壁構造材・冷却材系の探索
Project/Area Number |
09480105
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Research Institution | TOHOKU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
渡辺 豊 東北大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (10260415)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菱沼 章道 日本原子力研究所, 物質科学研究部, 照射解析研究・室長(研究職)
ラジャ・クリシュ ナン・セルバ 東北大学, 大学院・工学研究科, 助手 (40302179)
庄子 哲雄 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (80091700)
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Keywords | 核融合炉 / プラズマ第1壁構造材 / 冷却材 / TiAl系金属間化合物 / 酸化皮膜 / 加熱水蒸気 / 材料一環境両立性 / 酸化皮膜 |
Research Abstract |
核融合炉の真空プラズマ領域とエネルギー転換系を隔てる第1壁構造材料の開発には、耐中性子照射劣化、冷却材との両立性など複合環境下での材料問題の解決が必要とされるが、これを解決する戦略の一つとして、革新的素材の起用と従来顧みられなかった過熱水蒸気を熱搬送に用いることを中心とした新しい設計概念を提案するとともに、この両者の間の両立性を実験的に調べた。構造材料の候補として、前年度までの研究成果に基づき、過熱水蒸気中での耐食性に優れるTiAlV合金に対象を絞り、皮膜構造の詳細な調査等に基づいて耐食性発現機構に関して以下の知見を得た。 1.純酸素中においては、TiAlV合金の耐酸化性はTiAl合金に比べて劣るが、これはAl含有量が小さいことに起因してAl_2O_3の連続層が形成されにくいことに加え、低融点酸化物であるV_2O_5が形成されることに依るものである。 2.酸素ポテンシャルが比較的低い過熱水蒸気中においては、材料・温度に関わらず連続したAl_2O_3層は形成されないためそれによる顕著な拡散障壁効果は現れないが、一方で、Vが5価の酸化物まで酸化されることがないためTiAlV合金に高温側での加速酸化は起きない。また、溶質元素(Ti)に比べて原子半径の小さいVが酸化物中に固溶していることによって酸素の拡散速度が低下し、TiAlV合金において優れた耐酸化性が発現したものと理解された。
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