1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09480107
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
寺井 隆幸 東京大学, 工学部・附属総合試験所, 助教授 (90175472)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
米岡 俊明 東京大学, 工学系研究科, 助手 (40013221)
小林 知洋 東京大学, 工学部・附属総合試験所, 助手 (40282496)
小野 勝男 東京大学, 工学部・附属総合試験所, 助手 (20160905)
山口 憲司 東京大学, 工学部, 助教授 (50210357)
田中 知 東京大学, 工学系研究科, 教授 (10114547)
|
Keywords | 核融合炉 / ブランケット / 溶融塩 / LiF / BeF_2 / トリチウム / 腐食 / 熱力学 |
Research Abstract |
本研究では、溶融塩増殖材料(LiF-BeF_2)からのトリチウム放出特性と構造材料との両立性を、核融合炉ブランケット環境を模擬した条件下で明らかにすることを目的として研究を実施している。本年度は3年計画の初年度であり、具体的に以下の作業を行った。 (1)LiF-BeF_2溶融塩からのトリチウム放出挙動の解明 東京大学高速中性子源炉「弥生」照射孔内に中性子高温照射体系を設置し、照射容器中でLiF-BeF_2試料を500-700℃で中性子照射し、生成したトリチウムの化学形・拡散係数・放出速度などを測定した。その結果、トリチウム放出化学形は体系内の水素ポテンシャルやフッ素ポテンシャルの影響を受け、前者が後者に比べて大きい場合には、トリチウム放出化学形は分子状水素が主体になるが、その逆の場合には、トリチウムはフッ化トリチウムとして放出されることが明らかになった。トリチウム放出速度も体系中のこれらのポテンシャルの影響を受けることから、トリチウム放出には複数のプロセスが関与している可能性が考えられた。現在、そのモデルに従って数値解析を実施中である。 (2)LiF-BeF_2溶融塩の腐食挙動 LiF-BeF_2溶融塩を核融合炉ブランケットで使用したときの核変換の効果も考慮に入れることにより、腐食の熱力学モデルを構築し、構造材料との両立性に関する熱力学的検討を実施した。その結果、実際のブランケット体系においては、核変換によって生成するTFによる酸化の効果のみならず、フッ素からの核変換によって生ずる酸素の効果が重要であるという知見が得られた。これらの結果を基に、両立性実験の設計を行うとともに、実験装置を組み立て、予備試験を行った。
|
-
[Publications] A.Suzuki et al.: "In-situ Tritium Release Behavior from Molten Li_2BeF_4 Salt under Neutron Irradiation" Fusion Technology 1996. 1229-1232 (1997)
-
[Publications] A.Sagara et al.: "Blanket Design Using FLiBe in Helical-type Fusion Reactor FFHR" Journal of Nuclear Materials. 248. 147-152 (1997)
-
[Publications] 鈴木晶大 他: "核融合炉溶融塩トリテウム増殖材料(2LiF-BeF_2)からの高温中性子照射下トリチウム放出挙動" 東京大学工学部総合試験所年報. 56. 195-200 (1997)
-
[Publications] Y.Yamazaki et al.: "Design Assessment of Heliotron Resctor" Fusion Energy 1996. 3. 421-433 (1997)
-
[Publications] T.Terai et al.: "Tritium Release Behavior from Liquid Tritium Brccding Materials for Fusion Reactor Blanket under neutron Irradiation" Progress in Nuclear Energy. 32. 97-112 (1998)