1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09480129
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Research Institution | Aichi Cancer Center Research Institute |
Principal Investigator |
大塚 健三 愛知県がんセンター, 放射線部, 室長 (40150213)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石崎 寛治 愛知県がんセンター, 放射線部, 部長 (70111987)
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Keywords | ストレス応答 / 分子シャペロン / DnaJ相同体 / 遺伝子発現 / 生体防御 |
Research Abstract |
ストレス応答で誘導されるいわゆる熱ショック蛋白質の多くは分子シャベロン(蛋白質の折りたたみなど)としての機能をもっている。Hsp70の分子シャベロン活性は、DnaJ(Hsp40)によって制御されている。酵母では、その全塩基配列から約20個のDnaJ相同体が確認されているが、哺乳動物では今のところ13個のDnaJ相同体がクローニングされているだけである。われわれが先に見いだしたHsp40もその1つである。DnaJ蛋白質は約70アミノ酸の進化的に非常に保存された領域(Jドメイン)を持っている。そこで、このJドメインの配列を手がかりとして、哨乳動物(特にマウス)における未知のDnaJ相同体をEST(expressed sequence tag)データベースを検索し、クローニングを試みた。 まず、DNAデータベースであるDDBJ/EMBL/GenBankから、キーワードでDnaJ相同体を検索し、マウスのEST cloneを探す。この中には重複するclone(同じ遺伝子からの転写産物)があるので、お互いの相同性をPrivate Databaseというソフトウェアで検索してグループ分けした。その結果約30の独立したDnaJ相同体の存在が確認された。その内訳は、Jドメイン配列のあるのが23種類、Jドメイン配列はないがDnaJ相同体として登録されているのが7種類であった。このことから少なくとも10種類以上の新規DnaJ相同体が存在することがわかった。そこで、未知のDnaJ相同体の各グループから代表的なclone(なるべく5'末端を含む)をATCCから取り寄せ、塩基配列を決定した。5'末端を含まないcloneについては5'RACE法にて全長の塩基配列を決めた。その結果、あらたに9つの全長cDNAをクローニングした。今回、われわれはESTデータベースを利用して、未知のDnaJ相同体のクローニングを試みた目的は、各相同体の名前の付け方が混乱しているので統一的な命名法を確立することと、数多く存在するDnaJ相同体の世界共通の分類表を作成したいと考えたからである。今後は、各々の相同体について構造機能解析する予定である。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Hata and Ohtsuka: "Characterization of HSE sequences in human rispco gene:structunal and promoter analysis" Biochim Biophys Acta. 1397. 43-55 (1988)
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[Publications] Suzuki et al: "Presence of molecutar chaperous,heat shocis cegnate(Hsc)70 and heat shock proteins(Hsp)40,in the postsynas lic structure" Brain Res. 816. 99-110 (1999)
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[Publications] Mori et al: "Mammalian Hsp70 and Hsp40:Characteristic induction by environmental stresses and tissue spein fic expression" Jpn.J.Hyperthermic Oncol. (印刷中). (1999)
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[Publications] Ohtsuka and Hata: "Proposal for the classification and nomenclatine of mammalian Hsp40/DNAJ hemclogs" Cell Stress & Chaperoues. (印刷中). (1999)
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[Publications] 大塚健三: "ストレス応答と老化・寿命" 放射線科学. 41. 199-203 (1998)
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[Publications] 大塚健三: "分子シャペロンによる遺伝子病治療の可能性" 蛋白質・核酸・酵素. 43. 1998-1999 (1998)