1999 Fiscal Year Annual Research Report
レブンアツモリソウの保護のための増殖技術の確立と生態の解明
Project/Area Number |
09480136
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Research Institution | International Christian University |
Principal Investigator |
勝見 允行 国際基督教大学, 大学院・理学研究科, 教授 (10052242)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐野 浩 奈良先端科学技術大学院大学, 遺伝子教育センター, 教授 (20178809)
谷口 弘一 国学院大学, 栃木短期大学, 教授 (60002771)
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Keywords | アツモリソウ属 / 種子発芽 / 人工増殖 / 生態分布 / DNA解析 / レブンアツモリソウ |
Research Abstract |
本年度は以下のことを行った。 1.6月に礼文島においてレブンアツモリソウの人工受粉を行い標識を施した。 7月終わりから8月始めにかけて、これらの花から結実した朔を採取して実験室に持ち帰り、未熟種子を取り出して寒天培地に播種し、20Cで暗黒下に放置した。4ヶ月後これらの種子は発芽してプロトコームを形成しはじめ、5ヶ月後には約50%の形成率をみた。これらのプロトコームは新しい培地に移し替え、継続培養中である。幼苗形成時に低温処理をおこない、明所で順化を試みる予定である。 2.10月に礼文島で、レブンアツモリソウの自然条件下における発芽の生態を詳しく調査するため、生息区域内において16区画を設定し、結実した完熟種子を播種した。 3.極東を含む世界各地のアツモリソウ屬の葉サンプルを用いて、DNA解析を継続した。Cyp.macranthosについては、中国、極東、日本のものは一つの大きなグループにまとめられるが、礼文島、中国、ウラジオストックのサンプルは、北海道の函館、厚岸、崖山に生息するものとは明らかに相違が示された。Cyp.calceolusは中国産のもの、礼文島、北見、ウラジオストックのもの、ヨーロッパのものの三つのグループに分けられる。礼文島のC.calceolusは北見のものと若干差があり、系統性について更に検討中である。
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