1997 Fiscal Year Annual Research Report
光・電子機能性非天然アミノ酸を導入した蛋白質の作製と電子移動経路の構築
Project/Area Number |
09480141
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
宍戸 昌彦 岡山大学, 工学部, 教授 (60026268)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
芳坂 貴弘 岡山大学, 工学部, 助手 (30263619)
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Keywords | 電子移動 / 蛋白質 / 非天然アミノ酸 / 細胞外蛋白質合成 / ストレプトアビジン |
Research Abstract |
本研究は電子授受に関与する機能側鎖を持つ種々の非天然アミノ酸を部位特異的に蛋白質に導入し、蛋白質中で人工的な電子移動を行わせる事を目的とする。まず、側鎖に電子受容基や電子供与基をもつ光学活性非天然アミノ酸の合成を行い、新たにビオローゲン基をもつアミノ酸の合成に成功した。さらに種々の長さのスペーサーでアンスラキノニル基やフェロセニル基を結合した非天然アミノ酸も合成した。これらのアミノ酸と以前から合成していた電子機能性非天然アミノ酸を転移RNAに担持させ、それらを大腸菌、あるいはウサギ網状赤血球細胞の細胞外蛋白質生合成系に導入して蛋白質を作製した。 蛋白質としてはストレプトアビジンとチトクロームb_5を用い、それらの中の特定の部位に上のアミノ酸を導入した。その結果、アンスラキノニルアラニンおよび長いスペーサーでフェロセニル基を結合したアミノ酸については蛋白質に導入できることが明らかになった。しかし、フェロセニルアラニンについては導入できなかった。 作製した変異ストレプトアビジンの活性をビオチン結合活性から評価したところ、アミノ酸導入部位に依存して活性が大きく変化した。すなわち、導入部位によっては蛋白質が変性したり、あるいはビオチン結合活性を失ったりすることが明かになった。 以上の結果より、蛋白質の特定の部位に光・電子機能性アミノ酸を導入できる事が明かになった。しかし蛋白質の活性を保つためには導入部位を慎重に検討する必要があることも分かった
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[Publications] M.Sisido, T.Matsubara, H.Shinohara: "Design and Syntehsis of Peptides and Polypeptides of Electron Transporting Functions" Peptide Chemistry. 1996. 473-476 (1997)
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[Publications] T.Matsubara, H.Shinohara, M.Sisido: "Synthesis and Conformation of Poly(L-2-anthraquinonyl-alanine)" Macromolecules. 30・9. 2651-2656 (1997)
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[Publications] H.Shinohara, T.Matsubara, M.Sisido: "Electrochemical Properties of Poly(L-2-anthraquinonyl-alanine)" Macromolecules. 30・9. 2657-2661 (1997)
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[Publications] M.Sisido: "Elementary Photoprocesses in Designed Chromophore Sequences on α-Helical Polypeptides" Advances in Photochemistry. 22. 197-228 (1997)
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[Publications] 宍戸昌彦: "超たんぱく質-生体分子システムの拡張を目指して-" 高分子加工. 64・12. 530-539 (1997)
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[Publications] 宍戸昌彦ほか: "化学総説31「超分子をめざす化学」" 日本化学会編,学会出版センター, 241 (19997)