1999 Fiscal Year Annual Research Report
細胞内輸送小胞の形成におけるGTP結合タンパク質の役割
Project/Area Number |
09480148
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
中山 和久 筑波大学, 生物科学系, 助教授 (40192679)
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Keywords | 小胞輸送 / GTP結合タンパク質 / ARF / ダイナミン |
Research Abstract |
分泌タンパク質や細胞膜タンパク質の細胞内輸送は、あるオルガネラから輸送されるタンパク質を含んで出芽した輸送小胞が、標的オルガネラの膜に融合して、内容タンパク質を受け渡すことにより行われる。この輸送小胞の出芽過程には、様々なGTP結合タンパク質が関与している。本研究では、低分子量GTP結合タンパク質のARFおよび高分子量GTP結合タンパク質のダイナミンに関して以下のことを明らかにした。 1. ARFの不活性なGDP結合型から活性を有するGTP型への変換を触媒するグアニンヌクレオチド交換因子を3種類(BIG1、BIG2、GBF1)同定した。これらはすべて、ヌクレオチド交換活性に必須なSec7ドメインを有していた。これらのうち、GBF1はシスゴルジネットワークからのCOPIコート小胞の形成に関与することを示した。またBIG1とBIG2は、トランスゴルジネットワーク(TGN)に存在することを示した。 2. 他の研究者らはダイナミンIIがTGNに存在して、ここからのクラスリンコート小胞の形成に関与する可能性を示していた。しかし本研究において、様々な状況証拠を積み重ねることによりこの可能性を否定し、ダイナミンIIは細胞膜からのエンドサイトーシスにのみ関与することを示した。 3.ダイナミン様タンパク質として昨年度同定したDVLPが、細胞内で4量体を形成することを示した。また、この4量体形成の際の起こるDVLP分子内および分子間の相互作用の機構を解明した。
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[Publications] Toda,K.,et al.: "Colocalization of Phospholipase D1 and GTP-binding-defective mutant of ADP-ribosylation factor 6 to endosomes and lysosomes."FEBS Lett.. 442. 221-225 (1999)
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[Publications] Shin,H.-W.,et al.: "Intermolecular and interdomain interactions of a dynamin-related GTP-binding protein."J.Biol.Chem.. 274. 2780-2785 (1999)
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[Publications] Kasai,K.,et al.: "Dynamin II is involved in endocytosis but not in the formation of transport vesicles"J.Biochem.. 125. 780-789 (1999)
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[Publications] Honda,A.,et al.: "Phosphatidylinositol 4-phosphate 5-kinase α is a downstream effector of the small G protein ARF6 in membrane ruffle formation."Cell. 99. 521-532 (1999)