1997 Fiscal Year Annual Research Report
ケラチノサイトの分化と表皮特異的スフィンゴ脂質の誘導
Project/Area Number |
09480157
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Organization for Medical Research |
Principal Investigator |
鈴木 明身 (財)東京都臨床医学総合研究所, 生体膜研究部門, 研究員 (70134533)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
橋本 康弘 (財)東京都臨床医学総合研究所, 生体膜研究部門, 研究員 (80164797)
中村 京子 (財)東京都臨床医学総合研究所, 生体膜研究部門, 研究員 (30124481)
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Keywords | ラケラチノサイト / アシルグルコシルセラミド / セラミド / 脂質バリアー / ωハイドロキシ脂肪酸 / アシルグルコシルセラミド |
Research Abstract |
皮膚表皮には脂質バリアーが形成され,水分漏出を防止する重要な機能を果たしている。この脂質バリアーは分化したケラチノサイトにより作られ,表皮特異的なスフィンゴ脂質アシルグルコシルセラミド,アシルセラミド,ハイドロキシセラミドで構成されている.ケラチノサイトの分化とこれらのスフィンゴ脂質の生合成との関係を解析した.培養ヒトケラチノサイトを増殖培地で培養後,培地をウシ胎児血清含有培地に移し,分化を誘導した.分化誘導後の細胞を集め,脂質を抽出して,上記皮膚特異的スフィンゴ脂質画分を得,分析系を確立するための試料とした.確立された分析系は,HPLCでまず順相カラムでの分離,次に逆相カラムでの分離を行い,分離した成分を質量分析計(MALDI/TOF-MS)で分析するものである.この分析で,上記セラミド類緑物質は30種を超える分子から成ることが明らかになった.この分析系を使って,セラミド類緑体の生合成の解析を行った.放射標識セリンを培地中に加え,上記の方法で脂質を分離後を,TLCで分離し,オートラジオグラフィー・蛍光イメージアナライザーで取り込まれた放射活性を測定した.この手法はHeLa細胞を使った実験系で検討をあらかじめ行った.パルス・チェイスの結果から,分化が進むにつれて,グルコシルセラミドの放射活性が減少するのと対照的にセラミド,アシルグルコシルセラミド,アシルセラミドの放射活性が増加した.こ現象は,分化が進行するに伴って,特異的なスフィンゴ脂質の合成がおこり,同時に作られた脂質が分解を受けずに蓄積して行くことを示している.生合成経路と,蓄積に至るメカニズムの解析を来年度に行う.
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Research Products
(1 results)