1997 Fiscal Year Annual Research Report
細胞の情報伝達系に登場した新しいヌクレオチド代謝酵素の機能解析
Project/Area Number |
09480160
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
堅田 利明 東京大学, 大学院・薬学系研究科, 教授 (10088859)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
星野 真一 東京大学, 大学院・薬学系研究科, 助手 (40219168)
仁科 博史 東京大学, 大学院・薬学系研究科, 助手 (60212122)
櫨木 修 東京大学, 大学院・薬学系研究科, 助教授 (80142751)
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Keywords | リンパ球 / アストロ細胞 / CD38 / エクト型酵素 / NADアーゼ / イノシトールリン脂質3キナーゼ |
Research Abstract |
先に申請者の研究グループは、レチノイン酸によるヒトHL-60細胞の好中球への分化過程でエクト型NAD分解酵素(NADase)が細胞表層に誘導され、この酵素活性がリンパ球表現抗原のCD38によって担われていることを明らかにした。本研究では、細胞表層上の新しい機能分子と期待されるCD38及び関連酵素分子につき、細胞内へのシグナル伝達機構、酵素化学的特性、転写調節の機構などを検討し、以下の知見を得た。1、IgG_1サブクラスに属する抗CD38モノクローン抗体でリンパ球系の細胞を刺激すると、複数の細胞内機能蛋白質がチロシンリン酸化され、さらにG蛋白質と共役する化学遊走因子受容体刺激を介する活性酸素産生は著しく増強された。この増強作用は、CD38抗体のFc部分がFcγII受容体を刺激して、G蛋白質を介するイノシトールリン脂質3キナーゼの活性化を増強した結果であった。2、ラット脳の初代培養法により、各種のグリア、神経細胞を分取してラットCD38の局在を解析した結果、CD38はアストロ細胞に強く発現しており、またその細胞表層には顕著なNADase活性が認められた。さらに共焦点レーザー顕微鏡を用いた観察から、アストロ細胞のCD38は斑点(cluster)状の構造をとり、基質NADの添加によって細胞内陥入(internalization)することが明かにされた。3、これらリンパ球系と神経系の細胞表層には、ヌクレオチドを基質とするPC-1様の酵素(phyrophosphatase/phosphodiesterase)活性が存在し、その一部は分泌型の性状を示した。4、ヒトCD38遺伝子の遺伝子発見について解析し、核内レチノイン酸受容体のRAR(α)/RXRが結合する応答配列が第1イントロン上に存在することを見出した。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] S.Hoshino, et al.: "Mapping of the catalytic and epitopic sites of human CD38/NADase to a functional domain in the carboxy terminus." J.Immunol.158. 741-747 (1997)
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[Publications] W.J.Malasisse, et al.: "Cyclic ADP-ribose measurements in rat pancreatic islets." Biochem.Biophys.Res.Commun.231. 546-548 (1997)
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[Publications] N.Tsujimoto, et al.: "Potentiation of chemotactic peptide-induced superoxide generation by CD38 ligation in human myeloid cell lines." J.Biochem.121. 949-956 (1997)
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[Publications] M.Masuda, et al.: "Oscillation of ADP-ribosyl cyclase activity during the cell cycle and function of cyclic ADP-ribose in a unicellular organism,Euglena gracilis." FEBS Lett.405. 104-106 (1997)
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[Publications] S.Inoue, et al.: "Protein-tyrosine phosphorylation by IgG1-subclass CD38 monoclonal antibodies is mediated through stimulation of the FcγII receptors in human myeloid cell lines." J.Immunol.159. 5226-5232 (1997)
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[Publications] K.Kontani, et al.: "Signal transduction via the CD38/NAD^+ glycohydrolase." Adv.Exp.Med.Biol.419. 421-430 (1997)
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[Publications] 堅田 利明 他: "細胞内シグナル伝達(宇井理生 編)現代化学増刊34" 東京化学同人, 251 (1997)