1998 Fiscal Year Annual Research Report
PKCδノックアウトマウス作成による細胞死(アポトーシス)シグナル伝達系の研究
Project/Area Number |
09480189
|
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
中山 敬一 九州大学, 生体防御医学研究所, 教授 (80291508)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
真貝 洋一 日本ロシュ研究所, 生物学部, 主幹研究員
大野 茂男 横浜市立大学, 医学部, 教授 (10142027)
畠山 鎮次 九州大学, 生体防御医学研究所, 助手 (70294973)
中山 啓子 九州大学, 生体防御医学研究所, 助教授 (60294972)
北川 雅敏 九州大学, 生体防御医学研究所, 助教授 (50294971)
|
Keywords | プロテインキナーゼC / アポトーシス / PKCδ / ノックアウトマウス / ジーンターゲティング / ES細胞 / シグナル伝達 / ICE様プロテアーゼ |
Research Abstract |
プロテインキナーゼC(PKC)は細胞内シグナル経路の中心的な分子としてその重要性が指摘されてきた。近年PKCファミリーの1つであるPKCδがアポトーシスの際にICE様のプロテアーゼによって切断され、活性型に変換されることが報告された。本研究ではPKCδの遺伝子を人工的に破壊したマウス(PKCδノックアウトマウス)を作成し、そのマウスにおける発生分化や組織機能における異常を検索することにより生体内でのPKCδの生理的役割、特にICE様プロテアーゼの基質としてどのようにアポトーシスの誘導に関わっているかを明らかにすることがその目的である。 そこで私達はPKCδ遺伝子を単離して遺伝子構造を明らかにした。ターゲティングベクターを構築し、Embryonic Stem(ES)細胞に電気的に導入して相同組換えを起こしたクローンを得た。このES細胞をC57BL/6マウスの受精後3.5日令の胚(胚盤胞)にマイクロインジェクションし、キメラマウスを作成した。 このキメラマウスをC57BL/6マウスと交配して、変異PKCδ遺伝子を第2世代に移行させることに成功した(germline transmission)。現在このマウスを交配してPKCδ遺伝子を持たないマウス(PKCδノックアウトマウス)を作成中である。 またこの研究の推進中にPKCδがユビキチン・プロテアソーム系によって分解されることが明らかになってきた。このPKCδに特異的な分解制御のメカニズムも併せて研究をしており、その特異性を決定する分子機構を明らかにする目的で種々のユビキチンリガーゼ(E3)をクローニングした。その結果、βカテニンやIkBaをユビキチン化する酵素複合体SCF^<FWD1>複合体を単離同定することに成功した。現在このSCF^<FWD1>複合体、またはその類似分子がPKCδのユビキチン化に関わっているかどうかを検討している。
|
-
[Publications] S.Hatakeyama et al.: "Ubiquitin-dependent degradiation of IκBα mediated by a ubiquitin ligase Skp1/Cullin/F-box protein FWD1" Proc.Natl.Acad.Sci.USA. (in press).
-
[Publications] M.Kitagawa et al.: "An F-box protein,FWD1,mediates ubiqitin-dependent proteolysis of β-catenin" EMBO J.(in press).
-
[Publications] M.Shirane et al.: "Down-regulation of p27Kipl by two mechanisms,ubiquitin-mediated degradation and proteolvtic processing" J.Biol.Chem.(in press).
-
[Publications] A.Hamasaki et al.: "Accelerated neutrophil apoptosis in mice laking Al-a,a subtype of the bel-2-related Al gene" J.Exp.Med.188巻第11号. 1985-1992 (1998)