1998 Fiscal Year Annual Research Report
生体アミンによる前頭前野でのシナップス形成維持機構
Project/Area Number |
09480210
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
岡戸 信男 筑波大学, 基礎医学系, 教授 (50060140)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浜田 俊 筑波大学, 基礎医学系, 講師 (60282349)
志賀 隆 筑波大学, 基礎医学系, 助教授 (50178860)
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Keywords | PREFRONTAL CORTEX / SYNAPSE / BIOGENIC AMINES / PLASTICITY / SEROTONIN / RECEPTOR |
Research Abstract |
セロトニンによるシナプス形成維持機能を介在する受容体サブタイプは2A型受容体であることが以前の研究で確かめられた(Neurosci.Lett.Vol.195(1995)159)。2A受容体蛋白の融合蛋白または合成ペブチドを抗原として抗体を作製した。それらの抗体により、前頭前野を含むラット大脳皮質での2A受容体の分布を解析した。その結果、2A受容体はほとんど全ての大脳皮質のニューロンに発現していた。特に錐体細胞の細胞体と先端樹状突起に強い免疫反応が観察された。電子顕微鏡レベルでは非対称性シナプスの後膜肥厚の直下に2A受容体が局在していた。 非対称性シナプスのほとんどはグルタメート作働性と考えられるので、セロトニンは2A受容体を介してグルタメート神経系に何らかの影響を及ぼしていることが推測された。そこで、セロトニンを薬物で1週間除去してグルタメート受容体の変化を調べた。その結果、AMPA受容体が数十パーセント増加していること、受容体サブタイプではGluR2が増加していることが明らかになった。セロトニンはシナプスの数とカルシウムの透過性を調節することによりシナプスの可塑性を維持していることが明らかになった。 従来の形態学的手法では2A受容体は小脳には存在しないとされていた。しかし、抗体により免疫組織化学的にプルキニエ細胞が強く2A受容体を発現していることが確かめられた。小脳には大脳皮質の2A受容体様のDNAが存在しており、若干の塩基配列に違いのあるサブタイプがあることが確かめられた。小脳にはセロトニン線維が少なく、高密度の2A受容体の存在はミスマッチである。さらに脊髄神経節ではセロトニン線維は全く存在しないのに、神経節細胞には高密度の2A受容体が分布している。このようなミスマッチから、脳脊髄液や血液のセロトニンによる調節機構の存在が示唆される。
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[Publications] Hamada, Senzaki, Hamaguch-Hamada, Tabuch et al: "Localization of 5-HT2A recepta in rat cerebral cortex and effectory system reveated by immunohistochemisty using two antibodies" Mol.Brain Res. 54. 199-211 (1998)
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[Publications] Maeshima, Shutoh, Hamada, Senzaki, Hamaguch-Hamada et al: "Serotonin 2A receptor like immunoreactivity in rat cerebullar Puskinge cells" Neurosa.Lett. 252. 72-74 (1998)
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[Publications] Maeshima, Ito, Hamada, Senzaki, et al: "The allaler localization of 5-HT2A receptors in the spinalcord and spinal ganglia ofthe adult rat" Brain Res. 797. 118-124 (1998)
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[Publications] Hayashi, Nagaoka, Yamada, Ichitani, Miake & Okado: "Matertal stress induces synaptic loss and developmental disabilities of oftsping" Int.J.Dev.Neuroscience. 16. 209-216 (1998)
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[Publications] Shutoh, Hamada, Shibata, Shiga, Okado: "Changes in the density of non-NMDA receptors in the rat cerebral cortax following Serotonin doplation" Brain Res. (発表予定).
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[Publications] Matsukawa, Nakatake, Ogawa, Niitou et al: "Synaptic loss following dopletion of serotonin and/or noradienoline in the rat visual cortey" J.Comp.Neurol. (発表予定).