1998 Fiscal Year Annual Research Report
海馬神経回路におけるnon-LTP型シナプス可塑性の光学的測定法を用いた解析
Project/Area Number |
09480227
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
関野 祐子 群馬大学, 医学部, 助手 (70138866)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
白尾 智明 群馬大学, 医学部, 教授 (20171043)
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Keywords | 海馬 / 記憶 / 長期増強 / 光学的測定 / 膜電位感受性色素 |
Research Abstract |
海馬内シグナルフローの一般的概念は、歯状回-CA3-CA1という経路であり、CA2領域の関与は、考慮されていなかった。しかし、我々は、ラット海馬スライスでmossy fibersを刺激した後に興奮が伝わる様子を膜電位感受性色素を用いて光学的に観察し、CA3-CA2-CA1経路が存在することを確認し、発表した(Sekino et al,J.Neurophysiology 78:1662-1668,1997)。CA2を介する光学応答が記録される頻度が比較的少ないことから、CA2は何らかのゲート的役割を持つのではないかと考えた。 海馬体からスライスを直角方向に切り出し、膜電位感受性色素により染色し、記録用チェンバーで、嗅内皮質から歯状回に入力する貫通線維束を電気的に刺激した。このとき、興奮性シナプス電位を示す光学応答は、歯状回分子層内にとどまり、CA3領域への興奮伝播はみられなかった。スライスをGABA拮抗薬を含む溶液で潅流すると、神経興奮はCA3へと伝播するが、この興奮はCA3内に留まった。この状態にさらにアデノシンA1受容体拮抗薬を加えると、CA3-CA2-CA1経路が賦活化し、神経興奮はCA1へと到達する。 歯状回とCA3の間のhilusにはGABA性介在ニューロンが存在する事が知られている。また、アデノシン受容体単一精製標本に対して作成したポリクロナール抗体は、とりわけ海馬のCA2領域に強い染色性を示した(Neuroscience;in press)。これらのデーターを合わせて考えると、GABAによる抑制は、歯状回-CA3間で、また、内因性アデノシンがCA3-CA1間で機能すると考えられる。
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[Publications] Ochiishi.T.et al Sekino,Y(CA): "High Level of Adenosine A_1 Receptor-like Immunoreactivity in the CA2/CA3 a Region at the Adult Rat Hippocimpus." Neuroscience. (in press). (1999)
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[Publications] Shirao.T,Y.Ren R.Hayashi & Y.Sekino: "Time-lapse Video Microscopic Analysis of cell process Formation from Drebrin A-Expressing Fibroblast" Keio University Symposia for Life Science and Medicine. 2. 381-385 (1999)
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[Publications] Sekino,Y.et al: "Delayed Signal propagation via CA2 in Rat Hippocompal Slices Revealed by Optical Recording" J.Neurophysiol. 78. 1662-1668 (1997)
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[Publications] Fujii,S.,Y.Sekino,et al: "8・Cyclopentyltheophylline,an Adenosine A1 Receptor Antagonist,Inhibits the Revearsal of Long-term Potentiation in Hippocompal CA1 Neurons" Eur.J Pharmacol.331. 9-14 (1997)
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[Publications] 白尾智明 関野祐子: "脳と神経 分子神経生物科学入門" 金子章道、川村弘毅、植村應一(共立出版), 360 (1999)
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[Publications] 吉岡享、関野祐子: "イオンチャネル電気信号をつくる分子" 曽我部正博 (共立出版), 224 (1997)